大篠夏彦さんの文芸誌時評『No.021 文學界 2015年02月号(前編)』をアップしましたぁ。2月号は又吉直樹さんの『火花』掲載号です。大きな社会的ブームとなった小説といふこともあり、前後2回に分けて掲載します。つーか『火花』の大ヒットは純文学小説の牙城「文學界」と、芥川賞といふファクターを無視しては論じられないので、ある程度ちゃんとその背景について説明しやうとすると、ちぃと長い評論になってしまふでせうなぁ。
そりにしても大篠さんの批評はストレートといふか、身も蓋もないところがありますな。不肖・石川、『私小説作品を主軸にしているとはいえ、近年の芥川賞は前衛的小説と伝統的私小説をその受賞作に選んできた。日本で最も権威ある小説賞である芥川賞のプレステージを維持するための努力は続いているのである。ただ芥川賞という権威指標を軽々と超えてくれる作家が現れない。ほとんどの作家は受賞作とその前後の本としか売れず、いつまでたっても〝芥川賞作家止まり〟なのである』といふ文章を読んで、一瞬気が遠くなりました(爆)。
でもまあ意地悪でもやっかみでもなく、現在起こっている文学的事象を、できるだけ正確に読み解こうとする姿勢は必要です。大篠さんの評論はかなり客観的に現在文学が置かれた状況を説明していると思います。じっくりお楽しみください。
■ 大篠夏彦 文芸誌時評 『No.021 文學界 2015年02月号(前編)』 ■