山本俊則さんの美術展時評『No.039 着想のマエストロ 乾山見参!』をアップしましたぁ。乾山は江戸初期に活躍した陶工(書家・画家)です。兄は尾形光琳です。乾山の焼き物の真贋鑑定は難しいようですね。山本さんは『何を見せられても「乾山ですか、おお素晴らしい」と言っていれば世話はないのだが、せっかく目の前に物を出されても真贋がわからないのは情けない。・・・今まで十数点乾山を見たが、これはだいじょうぶと確信できたのは一点しかなかった。乾山はムツカシイのである』と書いておられます。
乾山は京都の鳴滝に窯を作って陶器を焼いたのですが、そこの発掘調査が2000年頃から始まりました。で、出土した陶片などから、それまで乾山作かどうか判断できなかった作品が、間違いなく本物だと鑑定されるようになったやうです。ただそれでも乾山はムツカシイらしひ。山本さんは『乾山作品にはバリエーションが多く、ほんとうに乾山がこんな作品を作ったのだろうかと思われるような作品がかなりある。乾山については確実な資料に基づきながら、最後は直感で真贋を見極めてゆくほかないように思う』とも書いておられます。
山本さんはまた、『本阿弥光悦を始祖とし、光琳が大成して乾山へと続く琳派の流れは、幕末になって酒井抱一によって再発見・再評価される。・・・抱一は琳派の後継者を称した。血縁関係などは一切ない。日本の伝統芸能は特定の家で受け継がれてゆくのが普通だが、琳派は完全に芸術様式上の流派なのである』とも批評しておられます。抱一展がどっかで開催されなひかな。山本さんの琳派論の続きを読みたいですぅ。
■ 山本俊則 美術展時評『No.039 着想のマエストロ 乾山見参!』 ■