金井純さんの『親御さんのための読書講座』『No.039 こまった人 養老孟司著』をアップしましたぁ。養老先生は解剖学者で東大名誉教授であります。金井さんは『時代の移り変わりというものは、必ずしも「いまどきの若いもん」によって表象されるわけではないと思う。むしろ「いまどきの年寄り」によって差異がより明確化しやすい、ということはないか』と書いておられますが、その通りかもしれませんねぇ。
こりは石川の感覚ですが、若いといっても20代30代は高度情報化社会の創生期に当たるわけで、ほんとうに従来とは異なる環境で異質の知性を育んでゆくのは今から生まれてくる世代ではないかと思います。でもま、短期的に見れば、高度情報化社会に順応できるかできないかの敷居世代は現在の50代だろうなぁ。もちパソやネットにちょいと習熟しているくらい、なんら特別なことではなひ。しっかしこの世代の一部の皆さんが、滅びかかった旧体制(アンシャン・レジューム)に必死にしがみつくだろうなぁ(爆)。
もちろん養老先生は新しい時代にちゃんと対応しておられます。金井さんは、『養老孟司の書き物はフレンドリーすなわち普通である。それがいまどき要請されるご意見番なのである』と書いておられますが、一理あるかも。何に対してでも自由に発言できるのが現代社会です。でもいつの時代でも問題一つ一つの根は深く、真剣に取り組めば一つの問題だけで人間の一生などすぐに終わってしまう。頑固オヤジの言葉は理不尽でしたが、そこには中途半端に物事に関わるな、できることに専念せよという、断念も含まれていたやうに感じるのでしたぁ。
■ 金井純 『親御さんのための読書講座』『No.039 こまった人 養老孟司著』 ■