金井純さんのBOOKレビュー『絵のある本のはなし』『No.007 世界で一番美しい元素図鑑』をアップしましたぁ。不肖・石川も本屋さんで『世界で一番美しい元素図鑑』を手に取ったことがありますが、売れていたとは知りませんでした。奇妙な本が売れるんだなぁとは思いましたが、金井さんのコンテンツを読んで納得しました。この本が売れた理由は〝世界で一番美しい〟というコピーにあるわけですが、問題はそれを支えるコンセプトです。
金井さんは『あらゆる書物には世界を捉える原理が内包されているのだと、その原理をつかんだからこそ、こうして書物になっているのだという矜恃を示さなくてはならない』、『矜恃のありかを掴まなければブックデザインはできないし、みごとなデザインをともなっての「世界で一番美しい」とは、その矜恃を端的に表したブックコピーだ』と書いておられます。読者(購買者)が〝世界で一番美しい〟というコピーに納得するためには、ブックデザインに先行する、はっきりとしたコンセプトがなくてはならないといふことです。
最近になって紙の本の他に、電子ブックといふ形態が登場しました。電子ブックは電車の中など出先で本を読みたいときなどに便利です。また〝情報〟中心の本などは、検索性が高い電子ブックの方がいい場合があります。ただ電子ブックが増えて紙の本がなくなっていくかといえば、そう簡単ではないでしょうねぇ。
本は最初のページがあり、最後のページがあるから本なわけです。つまりある〝世界〟がそこで提示されている。これを〝物語〟の喩として捉えることもできます。ゲームでも始まりと終わりがなければユーザーは納得しない。この〝世界=物語〟の喩が最も単純(原理的)に表現された物理形態が書物だと言えます。そして本の美しさはその内容(コンセプト)によって規定される。金井さんのおっしゃる通りだと思います。
■ 金井純 BOOKレビュー 『絵のある本のはなし』『No.007 世界で一番美しい元素図鑑』 ■