外賀伊織さんの連載恋愛小説『ぐるぐる』(第07回)をアップしましたぁ。今回はこの小説の第一回目の修羅場かな。人間って基本自己中ですが、どこかの時点で他者と密接に関係せざるを得ません。密室型のしおりちゃんもそれは同じだな。ズルイとも正直とも言えるような男女のやりとりだと思ひますです。主人公追い詰め大好きの外賀さんのことですから、もっと追い込みがあると思いますが(爆)。
ちょっと乱暴かもしれませんが、小説は現世の混乱や汚濁を描くための言語芸術です。これに対して詩は天上の音楽です。音韻を活かした芸術といふ意味ではありませんが、現世を超脱した観念やイメージを端的に表現するためにある。谷川俊太郎さんの詩集に『世間知ラズ』がありますがこれは正しい。ある種の作家たちはこのジャンル的特性をなんとか崩そうと努力してきたわけですが、多分、うまくいかないと思います。むしろ崩そうとするから失敗する。崩すのではなくジャンルの特性を突き詰めれば、恐らく別の地平に出ることができると思います。
ただ小説文学へのアプローチ方法は、大別すれば2通りあると思います。一つは前衛的試みから本質に至る方法、もう一つは小説のオーソドックスな手法を踏まえて前衛性を含む本質に至る方法です。文学金魚で小説を連載している作家は後者のタイプが多いですが、前者のタイプももちろん大歓迎です。
ほんでサイトを一元管理するために、『編集後記』は明日から文学金魚本体にお引っ越しします。『文学金魚オフィシャルブログ』の方は更新しませんのでよろしくお願いします。あ、文学金魚新人賞の締め切りも迫ってまいりました。3月31日であります。新たな才能を持つ作家の登場を心よりお待ちしております。
■ 外賀伊織 連載恋愛小説 『ぐるぐる』(第07回) pdf版 ■
■ 外賀伊織 連載恋愛小説 『ぐるぐる』(第07回) テキスト版 ■