貴公子・大野露井 (ロベルト) さんの連作詩篇 『空白』 『第 002 回 Ⅰ 書』 をアップしましたぁ。うにゅっ、連載第1回のタイトルは 『 XII 時』 で、数字と 『時』 の間に3文字文のブランクが入っていましたが、今回のタイトルは 『Ⅰ 書』 でブランクは1文字です。こりはどういふ展開になるんでせうねぇ。12 時から 1 時、2 時と時計の針のように詩篇が進んでいくのかな。楽しみであります。
ほんで今回は散文詩であります。大野さん、几帳面と申しますか、だいぶモダニスト的な資質がおありのやうです。視覚的にもすっきりとした作品がお好きのやうな。辻征夫さんだったかな、『詩の文字数が、2行続けてぴったり同じになると、なんとなく嬉しい』 とおっしゃっていました。詩を書く際には内容を工夫するだけでなく、そういった視覚的な楽しみもあるやうです。詩人によってはそれが、たま~にであっても韻を踏んだりするのが嬉しいってことにもなるわけですが (笑)。
詩の中でも自由詩は、何の決まり事もないという点でとっても難しいジャンルです。俳句や短歌のように、定型や季語の決まり事に沿って言葉を並べれば、なんとなく詩らしいものができるということがない。逆に言えば詩人ごとに自由詩の定義が違ってくるわけで、共通の尺度で作品の善し悪しを判断するのが難しい。何編か、あるいは何冊か詩集を読まなければ、作家の表現の核のようなものを理解できない場合が多いわけです。
大野さんの詩篇はどうやら書物概念を巡っているやうですね。もちろん書物は人類の〈知〉の象徴であります。またそこに印刷されているのは文字です。それは太古にまで遡ることができる人類の〈知〉の〈根〉のやうなものです。このテーマはどう展開していくんでしょうね。まぢ楽しみでありますぅ。
■ 大野露井 (ロベルト) 『空白』 『第 002 回 Ⅰ 書』 pdf版 ■
■ 大野露井 (ロベルト) 『空白』 『第 002 回 Ⅰ 書』 テキスト版 ■