りょんさんの詩誌時評 『No.006 現代詩手帖 2013年04月号』 をアップしましたぁ。『現代詩手帖』 さんの特集 『現代詩花椿賞、30 年』 を取り上げて、詩の賞について論じておられます。『現代詩手帖』 の版元思潮社さんでは、『現代詩花椿賞三十回記念アンソロジー』 を単行本刊行されているので、そのタイアップ特集です。まったく余計なお世話ですが、花椿賞を特集して雑誌の売り上げが伸びるのかなぁ。編集者としては、どうしてもそういった現実面が気になってしまひます。
ぶっちゃけた話、文学賞は現世のものです。詩壇に限りませんが、賞を授与された作品が傑作だとは限りません。賞によって本へ注目を集めるのが一番の目的です。賞を授与されたことで本が売れて出版社が喜び、世間から注目されることで、作家の執筆活動が楽になるといふ、みんなハッピーの効果を与えてくれるのが賞です。でもだんだんそれも難しくなっています。ホントに困難な時代になったものだと思います。
詩の世界にはすんごい数の文学賞があります。でもそれなりに有名な賞を受賞しても、本の売り上げは 100、200 部単位でしか伸びなくなっている。詩人も賞の授与という 〝チャンス〟 を十分に活かしきれなくなっています。受賞をきっかけに世間で活躍できる詩人はほとんどいません。これは詩人たちのせひだけではなく、詩の世界全体の力が衰えていることも原因の一つです。でも石川が知恵熱が出るくらい考えても、この状況がそう簡単に改善されるとは思えません。
文学金魚は詩歌専門メディアではありませんが、金魚詩壇でいわゆる難解な 〝現代詩〟 に属さない作品を掲載し、詩についての原理的論考を掲載していきます。しばらくこの辛い状況は続くと思いますが、『現代詩手帖』 を始めとする詩のメディアの皆さん、ともにがんばっていきませう。えいえいお~なのでありましたぁ。
■ りょん 詩誌時評 『No.006 現代詩手帖 2013年04月号』 ■