今日から 『金魚詩壇』 の新コンテンツ 『Ongaku & Bungaku by Kingyo-歌詞と詩歌』 をスタートします。音楽と文学、歌詞と詩歌を巡るエセーを、詩人さんたちを含む複数の金魚屋の作家の皆さんに書いていただきます。歌の歌詞を巡る評論だと考えていただいてもいいかと思います。第一回は小原眞紀子さんによるコンテンツのコンセプト解説です。
不肖・石川がお話を聞いている限り、金魚屋の執筆陣の皆さんにはリベラルな方が多いと思います。ただ詩や小説を含めて文学者の知的レベルが低下しているという認識では皆さん一致しておられるようです。言いにくいですが、何かをどうしても書きたい(表現したい)のではなく、単に自己顕示欲を満たすために書いている作家が多いのではないか。優秀な人間は文学ではなく、他ジャンルに流れている気配がある。それはまあ石川も常々感じていることです。編集者を含め、文学に携わる人間の能力は明らかに低下しています。
そういう認識もあって、『金魚詩壇』 をスタートさせるに当たっていろいろ議論があったのですね。その結果、単純な作品掲載はしないと決まりました。まず執筆コンセプトを明確にしていただく。また誰が読んでもある程度素直に理解できる作品を書いていただく。各ジャンルの業界ではなく、一般読書界(世界)を明確に意識した作品ということです。それにより一般社会で少しでも文学の力を取り戻したいからですが、他ジャンルの優秀な作家の皆さんに、文学の世界でご活躍していただきたいからでもあります。
小原さんが書いておられるように、人の心を揺り動かす作品は必ずしも技術的に上手いとは限りません。作家の表現主題への 〝確信〟 が最も重要で、確信があって技術を習得すれば秀作を生み出し得る可能性がある。文学金魚の総合文学志向はまず全文学ジャンルを総合的に認識把握することにありますが、全表現ジャンルから優秀な作家を見つけ出すことを含みます。優秀なクリエーターは技術習得にも長けています。ミュージシャンを含む創作者が、潜在的に優れた文学者になる可能性も高いと思うのでありますぅ。
■ 新連載 『Ongaku & Bungaku by Kingyo』 『No.001 Ongaku & Bungaku by Kingyo-歌詞と詩歌』 by 小原眞紀子 ■