金魚さん (齋藤都代表) の文芸時評総論 『Story Powerとは』 をアップしましたぁ。まだまだあります文芸誌ですねぇ。金魚屋文芸誌時評で取り上げた文芸誌は、これで 36 誌になりました。いつの時代でも雑誌は創刊されては消えてゆくものですが、それにしても多いですぅ。
ただあたりまえですが、執筆する作家は重なっているわけです。売れっ子、というと杓子定規な言い方なりますが、安定して面白い作品を書ける作家は限られていますから、彼らに関しては各雑誌で取り合いです。あとは新人や中堅作家が書くわけですが、一昔前のように彼らを 「育てていく」 のはなかなか難しくなっています。なにが当たるかわかんない時代になっていますから。
経済や文学ジャンルの盛り上がりが背景にあるわけでもないのに雑誌が新創刊され続けているのは、一つは出版社が売れ筋を見つけるための必死の努力をしているからであります。もう一つの理由には、編集部主導で売れ筋作品 (売れっ子作家) を作れるのではないかという雰囲気が漂っているからかもしれません。どーせ売れないなら、編集部 (出版社) イチオシの作家をど~んと市場にぶつけてみようという姿勢が、ないことはない。
それってけっこう面白いと思います。なんか老舗純文学雑誌を見ていると、文学業界に就職して一歩ずつ出世していくのが作家の務めみたいなところがあります。新人賞もらって芥川賞いただいて、そっから谷崎賞うんぬんをいただいて、最後は芥川賞選考委員になってアガリって感じですかね (笑)。
でもこういう出世をしても、肝心の作品が読まれるわけではありません。業界全体を盛り上げるために賞は必要だと思いますが、基本、読者がすべてだと思うのです。その意味で最近の新雑誌の姿勢は好感が持てます。無意味な文壇システムを飛び越えて作家と読者がつながればいいわけです。新雑誌がんばれ~でありますぅ。