山本俊則さんの美術展時評『No.014 シャガール展』をアップしましたぁ。シャガール展って松本、高知、長崎、新潟、京都の開催なんですね。草間彌生さんの展覧会も大阪、埼玉、松本、新潟開催で、必ずしも人口が多い大都市圏開催ではないようです。なんか美術館のすみわけルールがあるのかなぁ。いずれにせよ山本さんがいろんな美術展をとりあげてくださるので、僕はパソの前に座ったまま美術展の雰囲気を味わえます(笑)。今月末から来月上旬にはまた新しい美術展時評が届く予定です。
石 「お疲れさまっす。美術展時評、快調に飛ばしておられますねぇ」
山 「そうでもないなぁ。もっとテンポよく書きたいんだけど、時間がうまくとれなくて、どうしてもまとめ書きの感じになっちゃって、もうしわけないです」
石 「『シャガール展』は書きにくかったみたいですね」
山 「シャガールとかルノアールは難しいよ。小熊秀雄の美術展時評を思いだしました」
石 「ああ、『池袋モンパルナス』でお書きになってた詩人さん」
山 「うん。彼は上村松篁論で、「キレイで完成度の高い絵だっていえばそれですむから書きにくい」って意味のことを言ってます。まったくそのとおりだね。小熊さんの美術批評って、誰もが感じてるポイントをおさえた上で、そこから正面きってズバリと本質をついてくる。頭のいい人です。専門知識を振りまわしたりもしないし。ああいう美術批評って参考になるよ。プロパーの美術批評家よりも、ずっとすぐれた批評をお書きになったかたです」
石 「詩と美術って相性がいいみたいですね」
山 「そうですね。金魚屋で詩人さんたちとおつきあいさせていただいて、なおそれは感じるようになりました。小熊さんは「文学は不健全だ。その点、絵は健康でいい」って意味のことも言ってますが、そういった言葉をめぐる不快な感触をつかんでるのは詩人さんたちなんでしょうねぇ。小説家さんたちは、言葉を使って労働してる感じだから、あまり言葉そのものには意識が向かないのかもね」
石 「少なくとも外賀さんはなんも考えてないと思います(笑)」
山 「あのかたは音楽が好きでしょう。そこでバランスをとってるのかもよ」
石「そうかも。ちょっと僕は理解できないバランスのとりかたですけど(笑)。次の美術展時評はどんなラインナップですか?」
山 「ええと、松本竣介とボストン、それにセザンヌと高橋由一かな」
石 「実際にごらんになった美術展しかお書きにならないんですよね」
山 「そう。好みもでるし、みおとしてる展覧会もあります。だからもっといろんなかたに、全国で開催されてる展覧会のレビューを書いていただきたいですよね」
そういふわけで、今のところ美術展時評の著者は山本さんお一人ですが、そのうち別の方にも書いていただこうと考えています。公設・私設を含め、日本全国にすんごい数の美術館があるようなんです。金魚屋の総合文学主義・網羅主義に即して、やっぱ全国美術館の展覧会レビューを掲載するようにしたいともくろんでおりますです。