ようやく春めいてきましたね。それにしても今日は風が強い一日であります。もしかすると春一番ってやつなんでしょうか。そんでもって相変わらず花粉がっ!。ティッシュの消費量が尋常ぢゃない今日この頃であります。
ふんで今日は谷輪洋一さんの『新潮』2012年4月号の時評を掲載しました。『新潮』は東日本大震災関連の特集のようです。まだコンテンツを公開していませんが、僕のところに集まっている原稿を読むと、他の文芸誌でも東日本大震災関連特集を盛んに組んでいるようです。文学と震災ねぇ。普通の市民の一人である文学者が、震災について特別な感性や知見を持っているとは思えないんですけどね。
ところで昨日(3/29日)、文学金魚オープニングイベントのための第2回会合が開かれたというメールが田沼代理人から入りました。イベントってたくさんの方々にご協力していただくし、内容を固めるのに時間がかかるから、まだ発表するなって言われているんですが、4月の下旬に正式スタートするようです。決まりしだいこのブログでおしらせします。
そんで最初の話に戻りますが、皆さん、天変地異で何が一番怖ひですか。地震、雷、洪水、山崩れとかいろいろあると思いますが、僕は一番風が怖ひのであります。風が強い日は生きた心地がしない。以前、海辺のリゾートホテルに泊まったんですが、風が強くてすんげぇ怖かった。強風がサッシにぶつかって、その衝撃で部屋の中の空気がボンって揺れるんです。海辺に住みたいっていふ人の気が知れないってまぢで思いました。
雑誌『ニューヨーカー』の小説家で、アン・ビーティという作家が『貯水池に風が吹く日』という本を出しています。いわゆるアメリカ式純文学で、僕たちがアメリカに抱くパブリックイメージとはかけ離れた繊細な人間の心理が描かれています。で、僕がこの小説を読もうと思ったのは、ずばりそのタイトルに釣られたのです。このタイトル、怖ひぃぃぃ。『エクソシスト』なんかより遙かに怖ひかもしれない。タイトルって重要ですよねぇ。あ、ビーティさんの本、中身は怖くないですよ(笑)。
マルキ・ド・サドは、確か深い海の底を想像するだけで気が狂いそうになるって書いていたように思いますが、自然現象に対する人間の恐怖感って人それぞれですね。自分でも制御できない根源的な恐怖って、どこかに聖なるものへの希求を抱えているから文学の題材になるんだと思います。この聖なるものは神や仏とは限らない。悪魔や妖怪なども含みます。文学者先生たちが、東日本大震災を契機に、世界の明暗を統合した聖なるものを扱った文学作品を生み出すなら、ぜひ読んでみたいと思う今日この頃であります。