萩野篤人 文芸誌批評 No.020 畠山丑雄「叫び」(新潮2025年12月号)、連載評論『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』(第06回 最終回)をアップしましたぁ。畠山丑雄さんの「叫び」は第174回芥川賞の同時受賞作です。
今回の批評のポイントはパロディの成否にあります。パロディが成立するには対象の本質を射抜く知見と言語的才覚が必須です。それが十分かどうか。笑いはタブーをも乗り越えていく人間の特権的な恵みです。このハードルはかなり高い。
連載評論『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』は今回が最終回です。「なる」という突出点こそが〝原始偶然〟の宿る場所です。出来事はそこから「現実化」して浮かび上がる。現実は偶然ですが永遠でもある。有と無の往還の中にある。
九鬼は庭の木犀の匂いによって「私が生まれたよりももつと遠いところへ」運ばれてしまうと語っています。「かくあらざるをえない」必然と「かくありたい」自由意志が「永遠の現在の鼓動」の中でひとつになる瞬間は天啓のように訪れる。九鬼が文人哲学者である理由でしょうね。
■萩野篤人 文芸誌批評 No.020 畠山丑雄「叫び」(新潮2025年12月号)■
■萩野篤人 連載評論『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』(第06回 最終回)縦書版■
■萩野篤人 連載評論『九鬼周造と「偶然性」をめぐって』(第06回 最終回)横書版■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■


