寅間心閑の肴的音楽評『寅間心閑の肴的音楽評『No.114 歌詞について』をアップしましたぁ。三波春夫+コーネリアス、芸能山城組、ズボンズが今回の酒の肴です。いやはや寅間さんの音楽の守備範囲はホントに広い。ちょっと驚異的です。寅間さんの健脚もスゴい。だいたいですねぇ、酒飲みは飲み始めると動かなくなるもんですよ。しっかし寅間さんの飲み特技はハシゴ。なかなかできません。
寅間さんは「三波春夫、リミックスはコーネリアス(=小山田圭吾)」の赤とんぼを取り上げておられます。三波春夫さん、よく知られていることですがシベリア抑留帰りです。池上晴之、鶴山裕司さんの対談『日本の詩の原理』で取り上げられた詩人・石原吉郎と同じです。4年間抑留されたのでシベリア抑留組の中でも長い方です。筆舌に尽くし難い体験をなさった。シベリア帰りの方たちは当時、帰国しても共産主義思想に染まったロシアのスパイではないかと疑われ、辛い仕打ちを受けました。しっかし三波さん、これもよく知られているように「お客様は神様です」の資本主義的歌手。従軍派の一つの生き方ですねぇ。
寅間さんは『数年前、甲本ヒロトが俳優・菅田将暉に「今は歌詞を聞きすぎだと思う」と言っていた』と書いておられます。これは恐らくカラオケの影響でしょうねぇ。カラオケ好きの人がすんごく増えたから歌詞に敏感になるんじゃないかな。これは特に歌手(バンド)側にとってはいい面、困った面があります。本気でいい歌詞を書こうと思ったら意味に囚われいい加減さが失われてしまう。寅間さんのように音楽では『意味から解放された方が、違う意味が付加した方がきっと面白い』んじゃないかな。高尚だと思われてるオペラだって、韻を踏むためだけの超いい加減なラップみたいな歌詞もありますからね(笑)。
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