小原眞紀子さんの連載小説『幕間は波のごとく』第15回をアップしましたぁ。金魚屋から『文学とセクシュアリティ-現代に読む『源氏物語』』を好評発売中の小原さんの連載サスペンス小説です。中年に差しかかった姉妹を主人公集団にしたサスペンス小説です。
物語は終盤に向けた転回の章に入ってきたようです。『幕間』というサスペンス小説は、小原さんのサスペンス小説の中でもちょっと特殊な作品です。主人公に幼児虐待の嫌疑がかけられるなど緊張感、つまりサスペンス状態はずっと続いているのですが、何が本当の疑惑なのか、物語の核心なのか、ずっとこれも宙吊り――サスペンス状態のままです。
通常サスペンス小説は冒頭近くで殺人が起こり、中盤でもう1回、欲を言えば終盤近くでもう1回殺人が起こるのが定石です。東野圭吾さんの『容疑者Xの献身』などがその典型ですね。サスペンス小説にはサスペンス小説特有のセオリーがあるのです。しかし『幕間』はそれを大きく破っている。それだけ意欲的なサスペンス小説だと言えます。
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第15回 縦書版 ■
■ 小原眞紀子 連載小説『幕間は波のごとく』第15回 横書版 ■
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