寅間心閑(とらま しんかん)さんの連載小説『助平(すけべい)ども』『四十一、修羅場のにおい』をアップしましたぁ。謎の女でトラブルメーカーっぽい安藤さんが、また揉め事を持ち込んできました。波乱が起きなきゃ小説はつまんないですから、安藤さん、ナオ、安太といった順番でどんどん揉め事が起こって欲しいですぅ(笑)。
安藤さんは小説内では女子高から女子大の設定だったと思います。ジェンダーで男女すべての次元において平等が正しいというPolitical Correct時代には、なかなか言いにくいことが増えております。ただ心理学では母子密着が一つの症例として昔からあります。母子密着の子供の方は男の子でも女の子でもいいのですが、その繭に閉じた甘美な状態を破るのは父親の役割です。社会的男性性が母子密着状態の夢を破るわけですね。
この母子密着的な構造は女性の成長にある程度当てはめられるようなところがあって、女性は男によって社会性を獲得してゆくところがある。会社とかの組織だけでなく、ボーイフレンドなどによってもそれはもたらされる。で、女性は男によって社会性を得ると、しばしば男と別れたりするのですな(笑)。いつまでもしょーむない男に引っかかっている女性は、どこかで十全な社会性を獲得していないと言うこともできます。
もちこれらはすべての女性に当てはまるわけではありません。ただ安藤さんの男性遍歴を単なる男好きと見ては面白くない。男はセックスの欲望に負けて女性の真の姿が見えていなことがありますが、女性の方からはしばしばじーっと見られている。で、ある時見切られていきなり「もう嫌い」と言われたりするわけです(笑)。このあたりの機微、なかなか複雑です。表現するには小説が一番ふさわしいでしょうな。
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四十一、修羅場のにおい』縦書版 ■
■ 寅間心閑 連載小説『助平(すけべい)ども』『四十一、修羅場のにおい』横書版 ■
■ 金魚屋の本 ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■