原作小原眞紀子、作露津まりいさんの連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第24回)をアップしました。第13章『すべてを覆う胡桃入りスプレッド・クリーム』(前編)です。
小原さんには現在『文学とセクシュアリティ―現代に読む『源氏物語』』の単行本ゲラ校正を急ピッチで行っていただいています。金魚屋最初の単行本は3冊同時刊行する予定だったのですが、後回しになった本が一冊出たので、急遽小原さんの『文学とセクシュアリティ』を出すことになりました。800ページを超える大冊です。校正だけでもたーいへん。石川もテンテコリンであります。
もちろん小原さんには露津まりいさんとのコンビでのサスペンス小説が単行本4、5冊分あり、これも順次金魚屋から刊行してゆく予定です。そのほかにも既存サスペンス小説の続編、それから仮想通貨などに取材したサスペンス小説も小原さんは構想しておられます。こちらの方は仕上がったらなんらかの形で文学金魚に掲載してゆきます。
ただま、金魚屋で先に小原さんの評論集を出すのはそれなりの意図があります。文学業界はどー見ても混乱し、停滞しています。昔のイカ天みたいに日本のどっかに天才が埋もれていて、いきなり素晴らしい作品でデビューしてくれないかなと多くの業界人が期待したりしているわけですが、そー簡単にはいかない。特に文学の世界はそうです。基本的に考え抜いた作品でなければ同時代に大きな影響を与えられない。
また文学の世界は、作品と批評が有機的に結びついて一つの認識地平を作り出していかなければ盛り上がらない。本当に同時代に影響を与える創作は、出版されてからある程度浸透するまでに最低でも5年くらいかかるものです。しかし評論はカンフル剤の役割を果たしてくれることがある。
金魚屋最初の単行本は鶴山裕司さんの『夏目漱石論-現代文学の創出』と原里実さんの短編小説集『佐藤くん、大好き』、それに小原さんの『文学とセクシュアリティ』になります。三冊とも8月中には印刷所に入稿します。評論集が2冊入っているのは、文学金魚系評論が今の文学界のカンフル剤になればいいなぁという石川の希望の反映でもあります。
■ 小原眞紀子・原作 露津まりい・作 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第24回) 第13章『すべてを覆う胡桃入りスプレッド・クリーム』(前編)縦書版 ■
■ 小原眞紀子・原作 露津まりい・作 連載サスペンス小説『お菓子な殺意』(第24回) 第13章『すべてを覆う胡桃入りスプレッド・クリーム』(前編)横書版 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■