佐藤知恵子さんの文芸誌時評『大衆文芸誌』『No.125 柊子「誕生日の雨傘」(オール讀物 2017年12月号)』をアップしましたぁ。佐藤さんのオール讀物2017年10、11、12月号時評の3連投です。阿川佐和子「ブータンの歌」、三本雅彦「新芽」、柊子「誕生日の雨傘」の3作を取り上げておられます。
オール讀物さんは、最近になってホントに芸能人に書かせることが多くなっていますね。これは本が売れないのだからしょうがない。芸能人の皆さんはファンを抱えておられるわけですから、ポッと出の作家より売上が期待できる。ちょいと前に純文学小説誌で俳句・短歌の大結社所属俳人、歌人に小説を書かせるのがプチ・ブームになりましたが、これも結社読者を期待してのことでしょうな。そのくらい小説は厳しいのです。
アメリカ・イギリスの映画やドラマを見ていると、作家がブックフェアに行って朗読したり、サイン会を開くシーンがけっこう出てきます。物書きという人種が、できれば部屋にこもって作品だけを書いていたいと望むのは世界中同じです。しかしそんなことしていられない、なりふりかまってられないという現状がアメリカ・イギリスにはある。日本も近い将来、間違いなくそうなります。どんなに有名な賞をもらっても、本が売れなければ作家という空しい肩書きしか残らなくなる。
もちろん石川は、どんな形であれ本さえ売れればいいのだと言っているわけではありません。しかし厳しい現状を認識し、どうやったら本が売れるのかを考えることは、作品の内容に影響すると思います。古今東西の名作を読めば明らかですが、面白くて質の高い作品はいくらでもある。なぜ日本の純文学のように、これは修行ですかぁ? と言いたくなるようなつまらない作品を高く評価しなければならないのか、そっちの方が謎です。文学金魚は純文学の概念を変えたい。状況的にはそういう言い方になりますが、文学を本筋に戻したいということです。
■ 佐藤知恵子 文芸誌時評 『大衆文芸誌』『No.125 柊子「誕生日の雨傘」(オール讀物 2017年12月号)』 ■
■ 第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第06回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
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