小松剛生さんの連載ショートショート小説『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『No.031 四の向こうで』をアップしましたぁ。単行準備中の小松さんのショートショート新作です。ん~本を作るのって、版下・印刷はすんげぇ単純な作業でササッと終わってしまひますが、その前が大変なのよねぇ。もちろん作家が〝これはいける〟と自信を持てない作品が読者にアピールするはずがない。でも作品は99パーセント仕上がってからが勝負。99パーセント仕上げて仕事が半分終わったくらいに捉えていた方がよろし。残り1パーセントは客観的に商品にするための作業です。
昔、悲しみは雨じゃなかった。
悲しみとはちゃんと理由があって湧いてくるものであって、雨のように突然降り注ぐものではなかった。今は違う。理由のある悲しみと、理由のない悲しみの2種類がある。突然わけもなく悲しくなるときがある。わたしの人生はそういう意味ではだんだんと確実に複雑なものになっていっている。
(小松剛生『四の向こうで』)
そう、人生はどんどん複雑なものになってゆく。だから小説が必要なんだな。詩のように最初からスコーンと青空に抜けるような小説なんて小説ではありません。地上の様々な重力で地面に縛りつけられている人間が主人公です。僕は、わたしは、いつだって苦しくて辛くて悲しい。小説はそこから始まります。地上の物語をきっちり地上で終えながら、地面から1センチくらい宙に浮いている小説が書ければ成功なのであります。
■ 小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『No.031 四の向こうで』 縦書版 ■
■ 小松剛生 連載ショートショート小説 『僕が詩人になれない108の理由あるいは僕が東京ヤクルトスワローズファンになったわけ』『No.031 四の向こうで』 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第0回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■