第03回 辻原登奨励小説賞受賞作 原里実さんの新連載小説『レプリカ』(前篇)をアップしましたぁ。石川、紙媒体文芸誌の新人賞受賞者のお写真が、どーもしっくりこないのです。モノクロでニコリともせず、文学者らしいアトモスフィアをかもし出しているお写真と言ってもいいかな。〝文学者らしさ〟くらいでいい作品が書け、読者が付くなら苦労しませんよねぇ。なんかout-of-dateに感じてしまふのです。
そこで文学金魚では新人賞受賞者の皆さんに、できるだけニッコリ笑ったカラー写真を提供していただいております。原さんのお写真はおにゃの子っぽい柔和ないいお写真でございました。でもこのお方、東大卒なんだぁ。原さんから『そこ強調するんぢゃないっ!』とお叱りを受けそうですが〝トーダイ原ぼー〟なのであります。皆さんよろしくです。
「どこにいくの?」
と今度はあたしがたずねた。
「知らないよ」
「あたしだって」
「あんたについてきてたのに」
「あたしだって」
「まあいいか」
「まあいいね」
「どこかにつくわね」
「どこかにはつくね」
そういってあたしたちはくすくすと笑いあった。
(原里実『レプリカ』)
原さんの作品には、強い観念に支えられた世界観があります。『レプリカ』は短篇ですが、このほかにもたくさん短篇を書いておられます。それらを通読すると独自の原ワールドがどの読者にも伝わると思います。原さんの短篇は『レプリカ』以降も文学金魚に掲載してゆきます。新人らしい新人作家の登場です。
■ 第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■