日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第95回)をアップしましたぁ。おろち学会では、引き続き蔦崎事件に関する熱っぽい議論が続いております。しかしなんですな、蔦崎事件はなんとなく三島由紀夫割腹自殺事件と似ているやうな(爆)。双方とも行動とイデオロギーが一致して起きた事件ですが、必敗に終わるだらうといふ予感はあったうやうです。
「編集部が用意した本来の論題は、ちょうどスターリニズムが共産主義の本質的帰結であるのか否かといった大昔の議論と同様の、蔦崎的反国家主義的大惨劇はおろち文化の本質的一部であるのかどうか、ということだったのですが……」
「そこはそれ、壱原と印南の討論は、〈めぐそ-おぐそ論争〉に終始することになってしまったと」
「ええと、その論争は知ってるかもしれませんがその呼び名では聞いたことありませんですね」
「あれですよ。蔦崎公一の最期の気道を詰まらせた自殺媒体は、女糞だけから成っていたのか、女男両糞から成っていたのか、それとももしかして男糞だけから成っていたのか、という、あれです」
「ああ、あれですか……」
(三浦俊彦『偏態パズル』)
お食事中すいませんといふ内容ですが、『蔦崎的反国家主義的大惨劇はおろち文化の本質的一部であるのかどうか』はやはり大問題ですなぁ。また石川も『蔦崎公一の最期の気道を詰まらせた自殺媒体は、女糞だけから成っていたのか、女男両糞から成っていたのか、それとももしかして男糞だけから成っていたのか』に興味があります。スカトロジーは社会的偏態性――つまり〝偏りの嗜好〟であるわけで、単なる趣味なら暴力と破壊を伴うはずはなく、また男性の女性に抱く変態的性的欲望の一つであれば、当然、蔦崎氏は『女糞』を本望としたはずだからです。この議論、続きが楽しみであります。
なお三浦センセの『論理パラドクス 論証力を磨く99問』が、二見書房から文庫本で刊行されました。論理学者としてのセンセの思考回路に、文学的興味がミックスされた名著です。まだお読みでない方は是非ご一読くださいませっ!。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第95回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第95回) テキスト版 ■
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