日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第84回)をアップしましたぁ。三浦センセ、『音楽においておろち文化性を最も高濃度含有するジャンルがアンビエントミュージックであることが証明されて久しい今となってみれば、次のようなチャネリング系女性アーチスト作品のスペクトルこそがビニ本スペクトル桑田康介バージョンとの色彩一致度最大を示すものと実証されているのである』と書いておられます。そそ、センセにはアンビエントミュージック(環境音楽)について論じた『環境音楽入悶』といふ著書もあるのだなぁ。む~恐るべし。
しかしこの康介の思惑は、老人の心臓発作系ハプニングを心配した程度の意義しか実は持たない。隠し球をとっておこう、などとというのは余裕の自信のように見えて実はこれほど臆病な安全主義もないのである。
本当の自信があれば、現時点のすべてを出し切り周囲を震撼させた上、将来その都度新たなワザを編み出して震撼度を維持・上昇させることができるはずである。康介には心の底でこの将来的自信が欠けていたと言わざるをえないのだ。袖村茂明、蔦崎公一らの器質的素質と比べ機能的な「芸術器量」「学び体質」「記録者体質」でのみ勝負する定めにある桑田康介にして、この些事こそが致命的な欠陥だったのである。後のおろち史において桑田康介が主役を演じきれなかった理由もそこにある……。
(三浦俊彦『偏態パズル』)
この箇所を読んで、石川はわははと爆笑してしまひました。まったくまっとーなのか偏態なのか(爆)。でもセンセの書いておられることは、特に芸術の世界では正しい認識です。自信があるなら作家は『現時点のすべてを出し切』るべしです。本人が思っている〝隠し球〟など、周囲の人から見ればたいていたいしたもんぢゃござんせん。『将来その都度新たなワザを編み出して震撼度を維持・上昇させることができる』のが真のマニア、あ、ぢゃなくて、力のある作家です。要は作家の確信が作品の説得力の核心になる。多かれ少なかれ文学は、作家の少し歪んだ偏愛に説得力がなければ魅力あるものにならないのです。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第84回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第84回) テキスト版 ■
Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー開催(新人支援プロジェクト)
Web文芸誌のパイオニア 総合文学ウェブ情報誌文学金魚は、文学金魚執筆者によるシンポジウムと参加者の自由な質疑応答による参加型セミナーを開催します!。
・日時:2016年06月18日(土曜日)
・開始時間:午後03時30分~
・場所:近日中に発表します
・参加費:3.500円
■ テーマ ■
【テーマ】ジャンルの越境
純文学ラノベ、ロマンチック・ミステリ、純文学ホラー、自由な物語詩など、従来の文学ジャンルとは異なるオルタナティヴな文学を創り出すことを目指します。
【司会】
山田隆道(作家・TVコメンテーター)・小原眞紀子(詩人・東海大学文学部文芸創作学科非常勤講師)
■ プログラム(予定)■
① シンポジウム
第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について
三浦俊彦(作家・東京大学大学院教授)
遠藤徹(作家・同志社大学教授)
第二部 ラノベと(純)文学について
仙田学(作家)
西紀貫之(作家・フリーライター)
② リード小説大賞決定!
山田隆道(作家・TVコメンテーター)発案のリード小説(詳細は下記または『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)の大賞を決定し、大賞・奨励作については文学金魚への作品掲載を検討(バックアップ)します。
③ 第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介
④ 懇親会
いけのり(占い師・エッセイスト)の占いコーナーなど。
【Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー(新人支援プロジェクト)の趣旨】
・才能ある若い作家の作品が発表できない、キャリアのある作家なのに一番出したい本にかぎって出ない、学者の卵の奨学金ですら返還義務があるなど、現在ではさまざまなジャンルが細分化され、文化間の交流がなくなっています。
・こんな時代だからこそ、文学金魚は創作者と読者、ジャンルとジャンルを繋ぐメディアとして誕生しました。
・セミナー参加者は新しい文学と出版カルチャー誕生の当事者・目撃者になれるかも!
・読むことと書くことの、あのワクワク感をみんなで取り戻そう!
【リード小説とは ~あなたの〝リード小説〟大募集!~】
・リード小説とは、あなたがすでに書いた、あるいはこれから書こうとしている未発表オリジナル小説の大筋やセールスポイント等をまとめた、映画でいえば、予告編です。
・文学金魚大学校第01回セミナーのお題として、書き下ろしリード小説をツイッター上で大募集します。完成原稿があるかどうかは問いません。
・選考は山田隆道(『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)が行います。講師の文学金魚連載作家陣も選考に加わります。リード小説から作家デビューの扉が開かれるかも。
・試されているのは自己プロデュース能力です。気楽に楽しんでください!
【総合文学ウェブ情報誌文学金魚について】
・文学金魚はジャンルの垣根を取り払い、文化融合的な状況の中から新たな日本文化を創・出することを目指します。
・セミナー参加者は楽しいお題で盛り上がるもよし、懇親会で人脈を広げるもよし。新たな文学シーン誕生のワクワクする瞬間、その当事者・目撃者になれるかもしれません。
・今は積極的に自己アピールし、様々な方法で作家としての活路を切り開いてゆける時代です。ネットと紙出版のインタラクティブな関係性にリアルな人間の息吹きを吹き込んで、文学カルチャーのホットスポットを創り出そう!