山際恭子さんのTVドラマ批評『No.111 東京センチメンタル』をアップしましたぁ。テレビ東京さんで金曜日深夜0:12分から放送されているドラマです。吉田鋼太郎さん主演で大塚寧々、高畑充希、白羽ゆり、片桐仁さんらが出演しておられます。片桐仁さんは言わずと知れたラーメンズのお一人です。小栗旬さんも友情出演しておられます。
山際さんは『テレビ東京の十八番と言うべき企画である。下町の情報番組に、設定とストーリーをのっけてある。「一応ドラマ」とも呼ぶべきジャンルが、『孤独のグルメ』などで確立したかもしれない。今回はそれに、柴又の寅さんが重ねられた企画である。パロディとか本歌取りとか、教養的な厚みを出そうとするのは、テレビ東京としてはめずらしいかもしれない』と批評しておられます。ただふられ男としては、吉田鋼太郎さんはかっこよすぎるかもしれまへん(爆)。
『寅さんと別のタイプではあっても、こういう主人公は岩のようにアクの強い、ブ男という設定でなくてはならない。さもなければ女性への憧れと純情、フラれた悲哀が、ドラマ世界そのものとして肥大化しない。(中略)主人公はカメラ好きで、下町を撮って歩き、各マドンナを案内してまわるという筋書きなのだが、(中略)カメラを通した世界への、女たちへのセンチメンタリズムが表現されていないのは、どうしたことだろう。ただ、カメラを手にした55歳のボクちゃん自身へのセンチメンタリズムにしかなっていないのは、いかにも惜しい』とも山際さんは批評しておられます。
なかなかむちゅかしいところですね。テレビ東京さんは『俺のダンディズム』などでも、いわゆる脇役俳優さんを主演にしています。彼らはよーく見るとかっこいい。でもだからこそ、ドラマでは主客逆転の理由を強烈に主張する必要があります。『東京センチメンタル』ではちょっと自虐要素が薄いかなぁといふ気がしなひでもありませんね。
■ 山際恭子 TVドラマ批評 『No.111 東京センチメンタル』 ■
■ 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)は3月31日〆切です ■
金魚屋では21世紀の文学界を担う新たな才能を求めています。
小説はもちろん短歌・俳句・自由詩などの詩のジャンル、あるいは文芸評論などで、思う存分、新たな世界観、文学観を表現したい意欲的作家の皆様の作品をお待ちしております。