日本が誇る世界的特殊作家、三浦俊彦さんの連載小説『偏態パズル』(第32回)をアップしましたぁ。今回は食わされ体質の蔦崎公一さんの登場です。蔦崎さんの場合、おろち体験は受動的でして、今回も当然、食わされるわけです。『重要なのは、敗北感かつ罪悪感に打ちひしがれた蔦崎公一が、一連の修業を決意し実行し続けたということだけである』とありますから、蔦崎さんはおろち道を究めようと修行されているわけです(笑)。
聖は穢に通じるとはよく言われることです。頂点と底辺は逆転し得ると言いますか。実際、高貴なお方の身辺にはべるのは高位高官ではなくて、芸人や世俗を離れた僧侶だったりします。中国宮廷で宦官が絶大な権力をふるったことは言うまでもありません。今回の蔦崎さんvs S.W. さんの対決は、いわば穢と穢、底辺と底辺の闘いです。スリリングな闘いだなぁ(爆)。けっこうほろ苦い結末ですよ。どうぞじっくりお読みになって楽しんでください。
ほんで三浦先生は水を得た魚のようにじゃんじゃか書いておられます。特に膝詰めでお話したわけではないですが、文学金魚といふメディアの特性を一瞬で理解されたように思います。このあたり、やっぱ頭いいなぁ。不肖・石川も嬉しいかぎりです。三浦センセ、『偏態パズル』でおろち学について書き尽くしてくださいませぇ~。
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第32回) pdf版 ■
■ 三浦俊彦 連載小説 『偏態パズル』(第32回) テキスト版 ■