樂月慎さんの連載短篇小説 『色恋セラピー 第4回 逸脱路線図 (下) 』 をアップしましたぁ。相変わらず息苦しく、それでいてせつなく、でも暴力的で、幻想的でもある作品です。『色恋セラピー』 連作の 『第4回 逸脱路線図 (下) 』は今回で完結ですので、お読みになっていない方は、どうぞ最初から読んでみてください。
樂月さんの作品を読んでいると、文学作品のリビドーを考えさせられますね。この場合のリビドーは、性欲というより表現のための根源的欲求といったくらいの意味です。抑圧の内向といったテーマを扱うのに優れた才能を発揮する作家さんです。その意味でハピーエンドはあり得ないわけですが、快楽と解放がないとは言えない。
妙な例かもしれませんが、サドはバスチーユ牢獄に収監されていた時に大量の小説を書き、シャバに戻ると筆を執りませんでした。樂月さんご本人は苦しいかもしれませんが、どうも抑圧が強くなればなるほど筆が冴える作家さんのようです。その意味でも得がたい作家さんで、独自の表現世界をお持ちだと思います。
なお今年の5月に樂月さんの新刊小説『海岸のマサオさん』が幻戯書房から刊行されました。楽月さんの新たな小説世界を堪能できる、仙台や松島を舞台にした家族4代の物語です。書店にお寄りの際は、是非手にとってみてくださいっ!。
■ 樂月慎 連載短篇小説 『色恋セラピー 第4回 逸脱路線図 (下) 』 PDF版 ■
■ 樂月慎 連載短篇小説 『色恋セラピー 第4回 逸脱路線図 (下) 』 テキスト版 ■