星隆弘 連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第20回)をアップしましたぁ。「帚木」の帖終了です。貴公子光源氏はいわゆる空蝉を手を尽くして口説くわけですがフラれてしまいます。「帚木」は最初の方に雨夜の品定めがあり、理想の女性の議論があってその後のアフェアです。理想を求めた光源氏は失敗してしまうんですね。このあたりが『源氏物語』の面白いところです。
『源氏』は光源氏と姫君のアフェアが中心の物語(『宇治十帖』から主人公が替わります)ですが、女性たちによって光源氏は成長してゆく。その始まりにいるのが桐壺更衣であり空蝉であるのは象徴的です。
『源氏』では男女の恋愛は肉体的なものだけではありません。精神的なものだけとも言えない。肉体的に結ばれても精神が離れ、その逆も起こります。光源氏はその両方を経験します。喜びと苦しみだけでなく、現世的栄達もそれによって果たします。ただ『源氏』では主人公光源氏も姫君たちも、現世ではかなえられない、到達できない男女の理想(愛)を希求しているのは確かでしょうね。
■星隆弘 連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第20回)縦書版■
■星隆弘 連載評論『翻訳の中間溝――末松謙澄英訳『源氏物語』戻し訳』(第20回)横書版■
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