No.025【対話 日本の詩の原理】『〝戦後の知性〟のアベレージ―安東次男篇』池上晴之×鶴山裕司 をアップしましたぁ。小野十三郎、長谷川龍生、安東次男という左翼系と言われる詩人たちについての対話最終回です。ただ対話を読むとわかりますが、三人とも作品で社会主義などの左翼思想を強調して表現していません。
最大の理由は彼らが詩人であり、作品に左翼思想を超えた普遍性を求める文学者の習性を持っていたからです。もちろん左翼系詩人と呼ばれたのにはそれなりの理由がある。消え去った熱っぽい会話や細かな文章などでは左翼系詩人と呼ばれるだけのことはある発言をしたり文章を書いていたはずです。しかしそれを著作のメインに据えなかった。左翼系詩人という呼称は案外いい加減なものです。
今回取り上げられた安東次男は詩人として出発し、晩年は俳人で日本文化批評を書いた作家です。また過去作を後になって改作しています。その評価は一貫性があるかないかで決まります。自由詩から俳句への移行も同様。思想的一貫性があればなんら問題はない。高く評価される。しかしなし崩し的なら批判をまぬかれない。
「荒地」派の正統戦後詩の時代からじょじょに戦後の気風が失われてゆく〝戦後の詩〟の時代はなかなか難しかったと思います。しかしそれは過去のことではありません。1990年代に文学では断絶が起こった。情報化社会以前と以後の文学は裁断されてしまった。この時期に節操を失って迷走した詩人はたくさんいます。
そんな時代の戦後詩人や現代詩人はどう変化の時代を乗り越えたのか。時代が変わったんだからもう知らんという感じの詩人もいます。だけどその軌跡は必ず問い直されます。文学の世界は正面切って時代の変化に向きあい過去を検証し、新たな文学を作り出した者だけが生きのびる世界だと言ってもいいですね。
■No.025【対話 日本の詩の原理】『〝戦後の知性〟のアベレージ―安東次男篇』池上晴之×鶴山裕司 縦書版■
■No.025【対話 日本の詩の原理】『〝戦後の知性〟のアベレージ―安東次男篇』池上晴之×鶴山裕司 横書版■
■ 金魚屋 BOOK SHOP ■
■ 金魚屋 BOOK Café ■


