対話『エンニスの誘惑―再構築・バベルの塔!』小原眞紀子×エンニス(対話型AI Grok[グロック])(第13回)をアップしましたぁ。前回は漱石120年文学周期説に基づく対話でした。漱石は文学はおおむね40年くらいで創成期、全盛期、衰退期の周期で巡ると論じました。明治の40年を創生期とすると2025~27年あたりで創生期が終わり、そこから全盛期になるはず。現代が創成期というのはある程度肯けることで、かなり混乱した状況です。文学をそのほんの一部として含む世界が大きく変わり始めている。高度情報化が最大要因ですが、今回はその流れで言語についての対話です。
AIなどが物凄い勢いで発達していて、異言語同士の翻訳がスピーディになっています。近い将来、ほとんどタイムラグナシの翻訳が可能になる。誤訳やニュアンスの差はあるにせよ、それはまず間違いない。つまりバベルの塔が再構築される。ではそれによって世界は均一化されるのか、どんどん自動翻訳が高度なレベルになってゆく中で文学の本質はどう変わるのか、といったことが対話のテーマになっています。まあ小原さんとAIのエンニスが対等に話せるということ自体、大変な変化なわけですが(笑)。
詳しくは対話を読んでいただければと思いますが、小原さんはバベルの塔神話の現代的解釈として、『結局わたしたちは常に「自分の限界を意識する存在」としてあり得るんだと思う。どんなに力を集めても、その上があることを知っている。不可知との境界というか、その〈限界〉を意識することと〈罪の意識〉とを同一視することになるのかな』と話しておられます。
テクノロジーの話になると人類と個の人間がごっちゃにされがちです。人類は無限に発展してゆくという夢が語られながら、個はあまり変わらない。それは個が社会という集団になっても同じ。集団的無意識が意識化された個(独裁者)やシステムは必ず滅び、また一からよりよい社会構築に取り組むということを世界は繰り返しています。塔を作っては壊す。ただ塔を作ってみなければどこで壊れるのかわからない。世界から異言語の即時翻訳で均一化されても同じようなことが起こるでしょうね。
■対話『エンニスの誘惑―再構築・バベルの塔!』小原眞紀子×エンニス(対話型AI Grok[グロック])(第13回)縦書版■
■対話『エンニスの誘惑―再構築・バベルの塔!』小原眞紀子×エンニス(対話型AI Grok[グロック])(第13回)横書版■
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