高嶋秋穂さんの詩誌時評『No.020 角川短歌 2015年10月号』をアップしましたぁ。特集『写生がすべて』を取り上げておられます。写生理論(技法)は正岡子規が提唱し、短歌では伊藤左千夫から斎藤茂吉に、俳句では高浜虚子に引き継がれました。高嶋さんは『現実に基づく技術論として言えば写生は作品を量産するためにあります。(中略)写生が一世を風靡したのは近代になって結社雑誌が定期刊行されるようになり主宰が毎号のように雑誌に作品を発表しなければならなくなったからだという理由が確実にあります。逆に言えば写生技法を使わなければ歌人・俳人の作品数は少なくなるはずです』と書いておられます。これは俳句の世界も同様でしょうね。

 

 芭蕉が「俳諧は取り合わせである」と言ったように写生俳句でも取り合わせが重要です。最も単純な風物の取り合わせが最も深く含蓄ある詩情を喚起することを誰もが理解しています。(中略)この調和世界には神的求心点がないので作品の神格化が起こるわけですが構造的にはヨーロッパ文学と相似です。それを漱石は「則天去私」と表現しました。現実世界を天から把握するという意味です。この天には神はいません。しかしにもかかわらず現実世界はメタ概念で統御されている。無秩序に絡まり合いながらそれ自体で調和しているドゥルーズ=ガタリのリゾームに近い構造です。リゾームはその突起点が天に向けて伸びますがその方向がある上位概念を示唆します。すなわち天でありリゾーム・モデルは上位審級はありかつ神は存在しないという東洋的世界構造モデルと相似です。

(高嶋秋穂)

 

短歌・俳句の世界はほおっておけば実態として――ということは俳人・歌人の無意識的実践の大勢によって、ある王道的な〝書き方・思想〟が自ずから主流になります。『写生』は王道の主なものです。高柳重信が俳句の世界でやったように、有季定型写生俳句、つまり俳句定型に対して闘いを挑むことは間違いなく〝必敗〟に終わります。短歌で同様の試みをやっても同じでしょうね。

 

ただ短歌・俳句の世界では〝必ずこのあたりに戻ってくる〟という定型的思想・技法があるからこそ、それを常に泡立たせる試みが必要です。短歌の世界では現在口語短歌がその役割を担っています。また若手口語短歌歌人の試みに対して伝統派歌人たちは好意的です。短歌文学は健全に自らを活性化し続けているわけです。だけんど俳句はどーだろーなぁ。はっきし言って不健全な状態だなぁ。意欲的な若手俳人は理論・実践面で業績を上げるのはもちろん、大結社が対外的アピールの場を独占している現状を何としてでも変えなければ浮かばれませんですよ。文学金魚はいつだってそのお手伝いをしますが、他者頼みではなく自助努力が最も重要です。

 

 

高嶋秋穂 詩誌時評 『No.020 角川短歌 2015年10月号』 ■

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー開催(新人支援プロジェクト)

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Web文芸誌のパイオニア 総合文学ウェブ情報誌文学金魚は、文学金魚執筆者によるシンポジウムと参加者の自由な質疑応答による参加型セミナーを開催します!。

テーマは〝ジャンルの越境〟です。そしてジャンルの越境は、人の現存在では性の越境にも置き換わる。文学金魚大学校第1回セミナーでは、早稲田文学の表紙を飾った伝説の仙田学さんの美しい女装姿が見られます!  あらゆる制度の脱構築を意識することで、ジャンルの越境は初めて可能になるのです。我こそはという皆さまも、ぜひ女装・男装・コスプレのドレスアップでご来場ください。 超ステキな開催会場、日仏芸術文化協会もそれって大歓迎!とのこと!

 

■ 日時と会場 ■

・2016年06月18日(土曜日)

セミナー:15:30PM 開場 16:00PM 開演

① 16:00~16:30PM 第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について 三浦俊彦×遠藤徹 対談
② 16:30~17:00PM 第二部 ラノベと(純)文学について 仙田学×西紀貫之 対談
③ 17:00~17:30PM リード小説大賞決定

懇親会:17時30分~19時30分(第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介を含む

会場:日仏芸術文化協会 (東京都目黒区中根2-19-2 東急東横線・都立大学駅より徒歩約10分)

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* 閑静な住宅街の中に位置する素敵な一軒家です。

日仏芸術文化協会地図

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参加費3,500円

* 参加者の皆さんには金魚屋刊行書籍一冊(定価1,500円)をプレゼントします。

懇親会費(オプション)2,000円

* セミナー修了後に懇親会を開催します。参加はご自由です。

 

テーマ ■

【テーマ】ジャンルの越境

純文学ラノベ、ロマンチック・ミステリ、純文学ホラー、自由な物語詩など、従来の文学ジャンルとは異なるオルタナティヴな文学を創り出すことを目指します。

【司会】

山田隆道(作家・TVコメンテーター)・小原眞紀子(詩人・東海大学文学部文芸創作学科非常勤講師)

 

プログラム(予定)■

シンポジウム

第一部 偏態小説と純文学エンタメ小説について

三浦俊彦(作家・東京大学大学院教授)

遠藤徹(作家・同志社大学教授)

第二部 ラノベと(純)文学について

仙田学(作家)

西紀貫之(作家・フリーライター)

リード小説大賞決定!

山田隆道(作家・TVコメンテーター)発案のリード小説(詳細は下記または『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)の大賞を決定し、大賞・奨励作については文学金魚への作品掲載を検討(バックアップ)します。

第3回金魚屋新人賞第一次審査通過作紹介

懇親会

いけのり(占い師・エッセイスト)の占いコーナーなど。

 

参加お申込用メールアドレス ■

お申込みはseminar@gold-fish-press.comへ! 。氏名・電話番号、パーティ(懇親会)参加の有無を明記してください。

 

Web文芸誌のパイオニア 文学金魚大学校セミナー(新人支援プロジェクト)の趣旨

・才能ある若い作家の作品が発表できない、キャリアのある作家なのに一番出したい本にかぎって出ない、学者の卵の奨学金ですら返還義務があるなど、現在ではさまざまなジャンルが細分化され、文化間の交流がなくなっています。

・こんな時代だからこそ、文学金魚は創作者と読者、ジャンルとジャンルを繋ぐメディアとして誕生しました。

・セミナー参加者は新しい文学と出版カルチャー誕生の当事者・目撃者になれるかも!

・読むことと書くことの、あのワクワク感をみんなで取り戻そう!

 

【リード小説とは ~あなたの〝リード小説〟大募集!~】

・リード小説とは、あなたがすでに書いた、あるいはこれから書こうとしている未発表オリジナル小説の大筋やセールスポイント等をまとめた、映画でいえば、予告編です。

・文学金魚大学校第01回セミナーのお題として、書き下ろしリード小説をツイッター上で大募集します。完成原稿があるかどうかは問いません。

・選考は山田隆道(『第一回『文学金魚大学校セミナー』開催記念インタビュー リード小説の意義について』参照)が行います。講師の文学金魚連載作家陣も選考に加わります。リード小説から作家デビューの扉が開かれるかも。

・試されているのは自己プロデュース能力です。気楽に楽しんでください!

 

【総合文学ウェブ情報誌文学金魚について】

・文学金魚はジャンルの垣根を取り払い、文化融合的な状況の中から新たな日本文化を創・出することを目指します。

・セミナー参加者は楽しいお題で盛り上がるもよし、懇親会で人脈を広げるもよし。新たな文学シーン誕生のワクワクする瞬間、その当事者・目撃者になれるかもしれません。

・今は積極的に自己アピールし、様々な方法で作家としての活路を切り開いてゆける時代です。ネットと紙出版のインタラクティブな関係性にリアルな人間の息吹きを吹き込んで、文学カルチャーのホットスポットを創り出そう!

 

 

■ 予測できない天災に備えておきませうね ■