谷輪洋一さんの文芸誌時評 『 No.006 文藝 2013 年 (秋号) 』 をアップしましたぁ。『文藝』 さんの創刊 80 周年記念号を取り上げておられます。『文藝』 さん、おめでとうございます!。大変な道のりだったと思います。これからも頑張ってください。谷輪さんは相変わらずきついことを書いておられますが、不肖・石川に免じてお許しくださいぃ~。石川はメディアを維持していくことの大変さを、よぉぉぉぉーっくわかっております。
そんで 『文藝』 さんとは直接関係のないお話ですが、谷輪さんが 『雑誌でリアルタイムに読む必要があるのは、単行本化されるとはかぎらない新人作品ぐらいだが、新人賞を獲っても受賞後の第一作が載らない、というのはどういうことか。・・・新人賞受賞作家たちは・・・新人賞を獲る前よりも苦しくなる』 と書いておられます。新人賞をもらっても単行本が一冊も出ないでそのまま消えてゆく作家が多いのは常識ですが、最近では受賞第一作すら掲載されないケースがあることは、石川もリサーチで知っています。
理由はわかりませんが、多分、どの出版社も現在の閉塞した文学状況を打ち破る作家を求めているからでしょうね。多少未熟でもエキセントリックでも新人賞を与えてその作家に賭けてみるんだと思います。しかしなかなか 〝あたり〟 が出ない。ちょいストレートに言えば、純文学部門は大出版社の 〝格〟 を維持するための重要なセクションですが、売れなければやはり予算は削られていく。昔のようにじっくり作家を育てることも難しくなっているんだと思います。
多くの作家の卵さんたちが、新人賞を受賞してデビューすることを夢見ておられると思います。しかしオリンピックなら受賞で 〝アガリ〟 ですが、文学ではそうはいかない。下手に新人賞をもらった方が 『新人賞を獲る前よりも苦しくなる』 のも確かです。たまさか一冊バカ売れしても、マンション一部屋買えるくらいで書き続けられ本が出続ける保証はありません。第一、新人の本がバカ売れするなど宝くじに当たるようなものです。今の状況、甘くないですよ。出版社がきちんとしなければならないのはもちろんですが、作家の方も甘えは禁物です。想像以上に厳しいとお考えになった方がいいと思います。
■ 谷輪洋一 文芸誌時評 『 No.006 文藝 2013 年 (秋号) 』 ■