寅間心閑 連載小説『ど、泥卍』(第07回)をアップしましたぁ。寅間さんの酒の席の描写は当然ながらリアルです。貴美子ママは稲垣さんにせっせとドリンクを出させ、生ビール、焼酎、ウイスキー、ラムと軽く十杯超え。「仕事がある」と言いながら店からの電話を無視して飲み続ける。酒飲みの性と言いますか夜の町の人の図太さですがとても人間くさい。
ママが帰った後、二人きりになった馴染みの男たちが会話します。クライアントの「元殺し屋」に触れたいのですがなかなか触れられない。こういうもどかしさ、あります。ただ主人公の気持ちは決まっている。ヤバイかもしれませんが五十一対四十九の僅差でも飛び込んでみたい。その気持ちの底には停滞を抜け出したい切実さがある。
主人公は貴美子ママがホームの端で紙煙草を吸い、スマホで写真を撮ってほしいと頼む姿と画面の中の微笑みにギャップを感じます。それは恋人の琴絵に対しても同じ。主人公が主導権を握っていたのにいつの間にか逆転している。その不自由さを心地よいと感じてしまうところに彼の未来が示唆されていますね。
元殺し屋の家は予想以上に大きくて古い。呼び鈴も表札もない。さて、この家の戸はどんな扉になるのでしょうか。次回が楽しみです。
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