
ピー子 群像2026年7月号だね! いつも批評が熱くて創作も濃厚なイメージ。今回は「批評総特集・『論』の遠近法2026」って大々的な特集が入ってるみたい。批評って最近どうなってるんだろう?
ヨミ太 そうだね。群像は伝統的に批評の牙城みたいな位置づけで、特にこの総特集は2026年現在の「論」のあり方を多角的に掘り下げてる。対談の東浩紀×福尾匠「批評家とは何者か」が目玉だよ。東さんは『存在論的、郵便的』以来、批評の枠組みを広げ続けてる思想家・批評家で、福尾匠さんは新鋭として注目されてる人。批評の役割やアイデンティティを根本から問い直す対話かな。他にも高森順子の新連載「声の避難所」、林大地「「物」をほどく」、古川日出男の「ツァラの創作論 小説家はどう長篇を書いているのか」って連載が始まる。古川さんは小説家としても批評家としても活躍してるよね。創作論の視点が新鮮。
ピー子 島田雅彦さんの新連載「先祖返り」。あと金原ひとみ「さようなら私たち」、石田夏穂の中篇一挙「お疲れのところはございますか?」。金原さんは『蛇にピアス』で芥川賞取って以来、身体性や生の危うさを鋭く書く人。石田夏穂さんは『ギフト』とかで注目されてる中堅作家だっけ。現実の疲れや人間関係の機微を丁寧に描きそう。

ヨミ太 批評総特集の他のラインナップも見逃せないよ。青本柚紀「秩序からの逃走 失敗と文化批評の抵抗」、北川光恵「〈ハイブリッド精神〉をポケットに入れて 宮迫千鶴論」、小峰ひずみ「政治家とアイドル 日本にとって“メガチャーチ”とは何か?」、原武史「1条をどう評価すべきか 新潟県における憲法論議」、三浦雅士「思春期というニヒリズム 自分を騙す快楽」。三浦雅士さんは文芸評論家・舞踊研究者で、日本芸術院会員。『ユリイカ』と『現代思想』の編集長として伝説的な誌面を次々生み出した人。『メランコリーの水脈』(サントリー学芸賞)や『身体の零度』(読売文学賞)などで、文学・思想・身体論・舞踊を横断する独自の世界を築き上げてきた重鎮。で、水上文さんの「使い道のないディルドと親指ペニス、クィアな想像力について」なんて、かなり挑発的でクィア理論の視点から文化を切ってるね。蓮實重彥×工藤庸子の対話も加わって、批評の幅が広い。
ピー子 ノンフィクションも充実してる。伊藤春奈の新連載「なぜ、彼女たちは「犯罪者」になったのか」、前田啓介「昭和元年の七日間」。鈴木沙巴良の「文学フリマにみる「文学空間」の変容」って論点もタイムリー。文学の場がどう変わってるか、リアルに分析してくれそう。エッセイ新連載に木村衣有子「よわねいろ」、武田砂鉄「具体的な話」、永井玲衣「ぼろぼろ」。武田砂鉄さんは日常の観察が鋭いエッセイストだよね。
ヨミ太 随筆の顔ぶれは小森真樹「モードの問題」、福田節郎「弛みない悪意」、そして藤野可織、円城塔、いしいしんじ、いとうせいこう、みうらじゅん……などなど。書評や小特集「思考のストレッチ」も入ってて、小川哲×田村正資の対談「小説と批評、あるいはクイズをめぐる問い」なんてユニーク。巻尾新連載「巻尾言」が福尾匠さんで締めくくり。全体として、批評と創作が相互に響き合う。
ピー子 2026年の今、文学や批評がどんな「遠近法」で世界を見て、語ってるのか……。批評総特集で頭を働かせて、随筆で息抜きする、みたいな読み方が楽しそう。梅雨の夜にじっくり読みたい一冊。
ヨミ太 うん。次号も気になるところ。
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