寅間心閑の肴的音楽評『寅間心閑の肴的音楽評『No.109 箱庭』』をアップしましたぁ。今回はオブ・モントリオール、シカゴ、郷ひろみが酒の肴です。オブ・モントリオールについて寅間さんは『初期の彼、彼女らの音楽は様々なルーツ/ジャンルを内包しているが、通底しているのは不安定さ。綺麗な旋律なのにどこか危うい。チューニングやピッチ、何なら再生機器の不調を疑うような揺らぎに覆われている。カセットで聴いていたら、きっとテープが伸びたと思うはず。無論それが魅力であり個性。少なくとも私はそれを求めている。喩えるなら、歪んだ城の精巧なジオラマ』と書いておられます。うーんマニアック。
音楽に限りませんが表現は完成度を求めます。プロとして不特定多数の視線や耳に曝される場合、当然作品の完成度は高くなければなりません。〝商品〟として成立していなければならない。またプロとは〝素人が決して及ばない能力を有している者〟のことです。作品の完成度が高いのは当たり前でもあります。
でもプロにもその上があります。〝崩れ〟ですね。作品を不特定多数の視線や耳に耐える〝商品〟として完成度を上げてゆくのはプロにとって当たり前のこと。では技術的頂点を極めたらどうなるのか。技術が低下してゆくのは二流作家で、一流作家は崩れる。あえて技術的頂点を崩してゆく。それがある人や集団(バンド)にとって、最もスリリングな作品になることがあります。
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