■安井浩司新句集『天獄書』■
永田耕衣、高柳重信の前衛俳句を受け継いだ最後の前衛俳人・安井浩司が最後にまとめた遺著で新句集(第18句集)。最後まで前衛を貫いた稀有の詩人・安井浩司文学の金字塔! 全651句を収録。
A5版 232ページ
装幀 鶴山裕司
監修 酒卷英一郎
ISBN978-4-905221-14-2
定価1,800円(税込)
安井浩司は昭和11年(1936年)生まれの前衛俳句作家です。18歳の時に寺山修司を中心とする10代の俳誌『牧羊神』に参加し、昭和34年(1959年)に永田耕衣に師事しました。耕衣主催の『琴座』に寄稿しながら昭和39年(1964年)には高柳重信主宰の『俳句評論』に参加し、多くの優れた前衛俳句作家と交流しました。昭和43年(1968年)には加藤郁乎、大岡頌司らと共に俳誌『ユニコーン』を創刊しています。耕衣死去にともなって『琴座』が終刊した後はいかなる俳句結社・団体にも所属せず、秋田で一人、孤高の姿勢を保ちながら俳句を書き続けました。安井俳句は難解だと言われますが、その特徴は、俳句を趣味や習い事としてではなく純粋に『文学』として捉えていることにあります。安井俳句は文学としての俳句の可能性を極限まで探究し続けた極めて質の高いものです。
1936(昭和11)年
秋田県能代市に生まれる。
1951(昭和26)年・15歳
県立能代高校入学。
1954(昭和29)年・18歳
寺山修司を中心とした十代の俳句研究誌「牧羊神」が刊行され同人参加する。
1959(昭和34)年・23歳
秋地一郎名で「琴座」同人となる。
1962(昭和37)年・26歳
秋地一郎名を棄て本名をもって「琴座」再同人となり、生涯の俳句業を決意する。
1963(昭和38)年・27歳
第一句集『青年経』を永田耕衣の跋文を得て刊行。
1964(昭和39)年・28歳
大岡頌司の推薦をもって高柳重信主宰の「俳句評論」同人となり、終刊まで在籍する。
1968(昭和43)年・32歳
加藤郁乎を中心とした前衛的俳句同人誌「ユニコーン」に同人参加する。
1976(昭和51)年・40歳
第一回秋田県芸術選奨を受賞する。
1977(昭和52)年・41歳
掌論集『声前一句』刊行。現代俳句協会を退会。以後どの団体(協会)に属することもなかった。
1993(平成5)年・57歳
『安井浩司全句集』刊行。
2003(平成15)年・67歳
第十三句集『句篇』刊行。第一回吟遊賞を受賞。
2008(平成20)年・72歳
『安井浩司選句集』刊行。
2009(平成21)年・73歳
『海辺のアポリア』刊行。『増補版 安井浩司全句集』刊行。
2010(平成22)年・74歳
『海辺のアポリア』にて第八回「鬣」賞を受賞。
2012(平成24)年・76歳
銀座の「ギャラリー・ノア」にて「安井浩司『俳句と書』展」開催。
2022(令和4)年・85歳
1月14日逝去。