第8回金魚屋新人賞受賞の松岡里奈さんの小説『スーパーヒーローズ』第08回をアップしましたぁ。大学時代篇です。文字通りに読むとかなりエロチックというか、露骨にエロな内容が書かれているとお感じになるかもしれません。それはその通りで作家は若い女性ですから、こういった内容が与えるインパクトを計算していないはずはありません。しかしそれでは優れた小説にはならないわけでして。
これだけストレートに性とセックスを書けるということは、逆接的に作家がそれを相対化していることを示しています。ほぼ完全にセックスを相対化できているから露骨な描写になる。まあ言ってみれば実際のセックスはたいした問題じゃないのです。
作家の観念は天上に抜けようとしています。『スーパーヒーローズ』はその意味で観念小説です。だから純文学の要件を備える。ただ至上の観念を求める志向は地上の現実に叩き潰されます。そこで『しかし、しかし』と言い続けられるのが純文学小説ということでもあります。
■ 松岡里奈 連載小説『スーパーヒーローズ』(第08回)縦書版 ■
■ 松岡里奈 連載小説『スーパーヒーローズ』(第08回)横書版 ■
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