ラモーナ・ツァラヌさんの演劇批評 『青い目で観る日本伝統芸能』 『No.001 月の世界へ舞い上がる天人―『羽衣』』 をアップしましたぁ。観世流の演劇団体・銕仙会さんの 6 月定期公演『羽衣』を取り上げておられます。シテの天人は鵜沢久さん、ワキの漁夫白龍は宝生欣哉さんが演じておられます。
ラモーナさんが書いておられるように、お能の演目では 『 「常の会」 は決まった形式をさして、それと違った演出方法を 「小書き」 』 と言います。今回の 『羽衣』 では、『 「彩色之伝」 という小書き』 で、『前半は真っ白なモギドウ (半裸の様子を示す服装)、そして後半は紅い舞衣の姿をしている主人公が最高位の天人』 といふ演出がなされていたようです。ん~雅だなぁ。前島吉裕さん撮影の写真からもその華やかさが伝わってきます。
不肖・石川も、たった数回ではありますがお能を観たことがあります。確か観世さんの公演だったなぁ。メインが道成寺だったことは覚えているんですが、後の出し物は記憶がありません (爆)。でも素晴らしかったですよ。メインの道成寺になると、笛や鼓、地謡などの出演者もベテランに入れ替わるんです。そんで能面のようなお顔の方が、試しに鼓をポンと打つ。その音がそれまでとぜんぜん違うんだなぁ。『ああ、真打ちが登場した』 という感じ。通しでお能を観ると、伝統芸能がどういふものなのか、なんとなくわかりますよ。あ、お能は絶対に、席料が高くても正面の席で観た方がいいです。
短歌や俳句も同じですが、伝統文化・芸能は、古い土台に新しい要素を少しだけ加えて変化してきています。その少しの変化が非常に重要だったりします。ラモーナさんには伝統と変化 (革新) の両面を持つ伝統芸能について自在に書いていただければと思います。
■ ラモーナ・ツァラヌ 演劇批評 『青い目で観る日本伝統芸能』 『No.001 月の世界へ舞い上がる天人―『羽衣』』 ■