鶴山裕司さんの 『BOOKレビュー』 『No.003 新たな〝書物〟 ― 大野露井 『百奇箪笥』『愉快な人々』 『結晶舟歌』 』 をアップしましたぁ。露井さんは 〝ろせい〟 とお読みします。不肖・石川、露井さんのことは存じ上げなかったのですが、こりはまあ、石川の不肖のせいだけではなさそうです。鶴山さんは 3 冊の本を批評されていますが (露井さんのHPによると 4 冊刊行されています)、いずれも少部数の限定豪華本のようです。なかなか入手するのが難しいですよね。
鶴山さんの書評で引用を読んだだけですが、非常に高い資質をお持ちの作家さんだと思います。いつの時代でも年寄りは 〝近頃の若いもんは〟 と言いたがりますが、露井さんのような作家が出現すると、そういった愚痴は吹き飛びますね。もちろん評価を含めた作家の活躍はご本人次第ですが、時代の変化を如実に体現する作家さんだと思います。
それにしても出版界は混沌としていますね。昔ながらにマスメディアでの活躍を夢見る作家さんも多いわけですが、その一方で、ネットや小規模なコミュニティを活用して独自の作品を発表し、本などを制作しておられる作家さんも増えています。全体が把握しにくくなっているわけですが、いつだって優れた仕事が人の目にとまりやすいのも事実だと思います。問題はいわゆる年寄りが、そういった仕事をちゃんと評価できるかであります。そうしたことができなければ、だてに年を取った意味がない。若い人に愚痴を言うまでに、年寄りがきちんとしなければならんだろと思うわけです。
■ 鶴山裕司 『BOOKレビュー』 『No.003 新たな〝書物〟 ― 大野露井 『百奇箪笥』『愉快な人々』 『結晶舟歌』 』■