ルチアン・ブラガ詩集 ラモーナ・ツァラヌ訳(No.001)をアップしましたぁ。ルチアン・ブラガ(1895–1961)はルーマニアを代表する詩人・哲学者・劇作家です。トランシルヴァニア地方の司祭の家に生まれ、ルーマニア正教の精神を体現した人物として知られています。第一詩集『光の詩』(1919年)を23歳で刊行してルーマニア詩壇の中心的存在となりました。詩人としてだけでなく独自の「神秘哲学」を構築した思想家としても評価され、ノーベル文学賞候補に何度も名が挙がったと言われています。共産主義政権下では思想的な圧力を受けて大学教壇を追われ、晩年は図書館司書として静かに過ごしながら翻訳や哲学研究を続けました。
今回翻訳された詩は初期の二つの詩集からセレクトされています。アンチキリスト教的表現がありますが、ブラガは真摯な正教徒詩人でしょうね。キリスト教世界において神への懐疑は信仰の深まりになることが多い。世俗的あるいは教会教義的な大文字の神を懐疑することで初めて神の〝真姿〟に近づくことができる。神秘主義思想はそういうものです。詩篇「イブ」でヘビがイブに囁いた言葉は神も知らない。イブはアダムにもそれを伝えなかった。ただそこに世界の真理がある。それは新たな、あるいは本当の神の言葉としか表現しようがないでしょうね。
で、ブラガさんはトランシルヴァニア生まれです。ドラキュラ伯爵の故郷ですねぇ。ただしドラキュラ伝説はイギリスの作家ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』から生まれました。適当にドラキュラの故郷をルーマニアのトランシルヴァニアにしちゃったんですね(笑)。後付でヴラドⅢ世がドラキュラのモデルにされブラン城がトランシルヴァニアの一大観光地になっていますが、ヴラドⅢ世は実はこのお城に住んでなかったみたい。でもけっこうオーバーツーリズムになってるみたいですぅ。
■ルチアン・ブラガ詩集 ラモーナ・ツァラヌ訳(No.001)縦書版■
■ルチアン・ブラガ詩集 ラモーナ・ツァラヌ訳(No.001)横書版■
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