『光の詩』(1919年)より
私は世界の奇跡の花冠を壊さない
私は世界の奇跡の花冠を壊さない
途中で出会った
花々や瞳、唇や墓に隠された秘密を
理屈で殺したりはしない。
他の人々の光は
闇の底に潜む
不可思議な魔法を打ち消してしまうけれど、
私は
私の光で世界の秘密をさらに深めていこう。
白い光線でお月様が
夜の秘密を暴くのではなく
震えるような輝きでいっそう増やしていくように。
私もまた、あの暗い地平線を
心震わせる聖なる神秘で
より豊かに彩ろう。
そうして、不可解な謎のすべては
さらに大きな、底知れぬ謎となる。
私の目の前で――
なぜなら私は、花も瞳も
唇も、そして墓をも
愛しているからだ。
躍りたい!
ああ、躍りたい! 未だかつてないほど激しく!
私の中で神が
囚われ、手錠をかけられた奴隷のように
気持ちにならないように。
大地よ、翼をくれ!
私は矢になりたい。無限の深淵を
突き抜け、
周囲にただ空しか見えぬほどに。
上にも空、
下にも空、
光の波に包まれ、燃え上がりながら
私は躍りたい!
未曾有の雷光に貫かれ、
私の中で神が
自由に呼吸できるように。
「自分は囚われの奴隷だ」と
嘆くことのないように!
天国の光
太陽に向かって笑ってやる!
僕の心は頭になど従わないし、
脳が心を支配することもない。
僕は、この世界に酔いしれた異教徒だ!
だが、悪という名の熱がなければ、
僕の畑に楽しさなんて実ることができただろうか?
そして聖女よ、もし君が
罪という快楽に身を焦がさなかったなら、
その唇にこれほどまでの魔力は咲いただろうか?
僕は異端者のように、ひとり想う。
天国のあの光は――
いったい、どこから来ているのか?
そうか、分かった。
あれは地獄の炎に、
照らし出されているのだ!
三つの顔
「僕の知恵も愛も、みんな遊びなんだ!」
子どもは笑う。
「僕の遊びも知恵も、すべては愛なんだ!」
若者は歌う。
「私の愛も遊びも、すべては知恵なのだ!」
老人は、静かに口を噤む。
イブ
蛇がイブに果実を差し出した時、
葉陰から聞こえてきたのは
銀の鈴が鳴るような、清らかな声だった。
けれどもその後、蛇は彼女の耳元で
ごく小さな、かすかな声で何かを囁いた。
聖書にも記されていない、
決して明かされることのない「何か」を。
ずっと耳を澄ませていた神でさえ、
その呟きまでは聞こえなかっただろう。
そしてイブも、アダムには決して教えなかった。
あの時から、女はまぶたの裏側に
ひとつの秘密を隠し持っている。
そのまつ毛の揺れ方は、
私たちが知る由もなく、
誰も知らず、
神ですら知り得ない何かを
彼女だけが知っているのだと、
そう告げているかのようだ。
あなたは泣くだろうか、笑うだろうか?
私は後悔などしない、
心に泥が溜まってしまったことを。
けれども、あなたのことを想う。
いつか、光の爪を立てた朝がやってきて
あなたの夢を引き裂くだろう。
私の心が、あなたが求めるほどに、
あなたの愛が信じて疑わないほどに、
清らかで美しいものだというその夢を。
その時、あなたは泣くだろうか、許してくれるだろうか?
さめざめと泣くのだろうか、それとも笑うのだろうか。
私は、後悔のひとかけらもなく
朝の光の中であなたにこう告げる。
「知らなかったの?
睡蓮が花を咲かせるのは、
底に泥がある池だけなのだということを」
『預言者の足跡』(1921年)より
牧神パン
枯れ葉に埋もれ、岩の上にパンは横たわっている。
盲となり、老いさらばえて。
ざらついたまぶたを
いくら瞬かせようとしても無駄だ。
彼の瞳は冬の間、閉ざされたままなのだから、
殻に閉じこもったカタツムリのように。
温かな露の雫が唇にこぼれ落ちる。
一滴、
二滴、
三滴。
万象が、自らの神に水を飲ませているのだ。
おお、パンよ!
手を伸ばし、枝を掴み、
芽吹いたばかりの蕾をそっと慈しむ姿が見える。
茂みの陰から仔羊が近寄ってくる。
盲目の神はその気配を聞き、微笑む。
仔羊の頭を優しく両手で包み、
柔らかな巻き毛の下に小さな角を探り当てること――
それはパンにとって、この上ない悦び。
沈黙。
周囲の洞窟たちが眠たげにあくびをすれば
彼もまたつられてあくびを漏らす。
体を伸ばし、彼は呟く。
「露は豊かに温まり、
仔羊の角は伸び、
新芽はふくらんでいる。
――春が、来たのだろうか?」
秋の夕暮れ
山の端から夕暮れは
その赤い唇で
まどろむ雲に息を吹きかける。
すると、薄い灰のヴェールに隠されていた
熾火が
再び赤々と熾りだす。
夕陽の方から
舞い降りた一筋の光が、
震えながら翼を休めようと
一枚の葉にとどまる。
けれども、その光があまりに重すぎて、
葉は耐えきれずに落ちてしまう。
ああ、わが心!
胸の奥深く、厳重に隠しておこう。
より深く、
一筋の光さえも届かぬ場所へ。
触れられれば、落ちてしまいそうだから。
秋なのだ。
ついておいで、仲間たちよ!
近くへ来い、仲間たちよ! 秋が来た。
ブドウの粒には苦よもぎのワインが、
マムシの牙には猛毒が、
どちらも熟しきっている。
叫びたい、そして乾杯したい、
俺の狂った奇跡に! 彼女は去った。
俺を涙と、
お前たちと、
この秋と、
そして耐えがたい孤独の中に置き去りにして。
もっと近くへ来い! 聞く耳がある奴は聞いてくれ。
苦痛なんてのは深くない、笑っている時以外はな。
だから、今日の俺の中で
苦しみを笑わせておけ。
ははは! ワイングラスを雲に叩きつけてやれ!
隣に来い、仲間たちよ、飲もう!
ははは! 空に奇妙に煌めくあれは何だ?
月の欠片か?
いや違う、金の洋杯の破片だ。
俺の鉄の腕が、
空へ放り投げてぶち壊してやったのさ。
俺は酔っている。夢という夢を、
聖堂も祭壇も、すべてを叩き壊してやりたい!
隣に来い、仲間たちよ! 俺は明日、死ぬ。
形見として、
俺の美しい骸骨をお前たちに残してやろう。
その中から、
命が愛しい時は苦よもぎのワインを、
俺の後を追いたい時は
その毒を、
心ゆくまで 飲むがいい。
ついておいで、仲間たちよ!
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