小原眞紀子さんの連作詩篇『『ここから月まで』 第10回 夕/犬/葉』をアップしましたぁ。作家は書き続けてゆくうちに金脈を掴むものだなぁと思います。小原さんの非情な視線がとてもよく表現された作品になっています。

 

夜がくる

輪郭のあやふやに

堪えきれず唄をうたう

大声で

せまる夕闇にあらがう

世界はこたえず

僕はやっぱり濁点として

無言でさまよう

夜が明けるまで

鶏が鳴く数を数え

意識を失う

すべては無為だったと

時間は僕を流し去ると

その日の夕空にうたう

(小原眞紀子『夕』)

 

小原さんの作品はオーソドックスな抒情詩とは違います。もちろん現代詩とも異なる書き方です。突き放したような書き方なのですが、その無常とも言える精神の底からある抒情が湧き出る詩だと思います。こういった冷たくも温かい詩はあまり例がないかもしれません。

 

石川は自由詩の世界はヤバイくらい低調になっていると思いますが、その一番の原因は既存の書き方をなぞっていることにあります。詩人たちはマジで現代詩という書き方を含めた概念を見捨てた方がいい。

 

ただ新しいタイプの詩についての考え方、模索方法は無限にあるはずです。従来通り、飛び道具のような表現で読者をビックリさせる前衛的手法もその一つです。小原さんのように、何かの原理的な底に降りてゆく方法もあります。

 

近い将来、小説を含む文学の〝純〟な概念を巡る思考が変わることは確実です。既存の権威や書き方にしがみついて自滅した作家になりたくなければ、作家それぞれが現代に呼応した自分の金脈的書き方を見つけることです。

 

 

小原眞紀子 連作詩篇 『『ここから月まで』 第10夕/犬/葉』 縦書版 ■

 

小原眞紀子 連作詩篇 『『ここから月まで』 第10夕/犬/葉』 横書版 ■

 

 

第04金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項

第04回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。

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