佐藤知恵子さんの文芸誌時評『No.017 オール讀物 2015年03月号』をアップしましたぁ。乙川優三郞さんの『夕暮れから』を取り上げておられます。乙川さんの小説は料亭が舞台なので、料亭についてのお話しをマクラになさっています。

 

『接待のときは、アテクシは「あそこはご飯がマズイからダメ」と言ってしまいます。でも料亭に舞い上がって、どんな料理でもいちいちスマホで写真をお撮りになる殿方もいらっしゃるわねぇ。オバサンは心優しいので、「料理の味もわかんないくせに写真撮ってんじゃねーよ、仕事で接待飯食って自分のブログにアップしたりするんじゃねーぞ」と心の中で思うだけで、ニコニコ笑って差し上げるのですわぁ。殿方は散財がお好きで(中略)たいていの女性は「バッカじゃないの」と思いますが、「バッカじゃないの」の最大級が接待自慢よ。(中略)女にバカにされるのが大嫌いな殿方はお気をつけあそばせぇ』と書いておられます。ま~そのとおりですね(爆)。

 

んで乙川さんの『夕暮れから』は、じょじょに斜陽になってゆく花街の老舗料亭の女将が主人公の、しっとしと落ち着いた短篇です。佐藤さんは、『置屋の主人・喜代乃の「今は石が流れて木の葉が沈むときかもしれませんね」という言葉には、作者の乙川優三郞先生の思想が表現されています。(中略)その理由は「仰ぐものがどんどんなくなってゆく」ことにあるでしょうね。(中略)単に伝統を受け継げばいい時代ではありません。伝統を継承するにしてもどう継承するのか、その質こそが重要になっています。(中略)過去の文化に普遍的なものを探り、それを現代的な〝新しさ〟として、質的転換を試みなければならない時代なのです』と批評しておられます。じっくりお楽しみください。

 

 

佐藤知恵子 文芸誌時評 『No.017 オール讀物 2015年03月号』 ■

 

 

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