岡野隆さんの詩誌時評『No.025 月刊俳句界 2015年04月号』をアップしましたぁ。「魅惑の俳人達」という連載で紹介されている、磯貝碧蹄館(いそがいへきていかん)を取り上げておられます。

 

南瓜煮てやろ泣く子へ父の拳やろ

秋刀魚一匹二匹三匹ぼくの空

白くなりたい石の願望雪降れり

一人樂隊噴水の穂を愛しけり

愛は楕圓に秋の女と飛行船

啜り泣く浅利のために燈を消せよ

一人だけ死ぬ冬空の觀覧車

ガラス箱の中に尼僧と曼珠沙華

死者へ炊く飯は雪より白く炊く

 

独特の俳句ですね。碧蹄館は句誌「握手」を主宰しましたが、その標旗は「愛・夢・笑い」でした。岡野さんは、『碧蹄館は門弟に「自己の根底に哲学・思想を持て」、「魂を串刺しにして遊ぶ」、「季語が一句の中で生命を持っているか」、「独善を排し、対象とその向こうに存在するものを追究する」といった自己の俳句観を語ったようである。いずれも抽象的な物言いである。どういう哲学・思想なのか、魂を串刺しにする方法は何かといった具体的指示はないだろう。(中略)ストレートに言えばその甘さが碧蹄館俳句の魅力であり、その人間的魅力であったのではないかと思う』と批評しておられます。

 

また岡野さんは『碧蹄館の俳句は、言葉の面白さを求めて表層的な表現をするりと通り抜けてゆく。宵越しの金は残さず、恋情はあっても執着はない江戸っ子の俳句かもしれない』とも書いておられます。前衛俳句のような肩肘張った堅苦しさはなく、自由に俳句を詠み抜けていった俳人でありまふ。

 

 

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岡野隆 詩誌時評 『No.025 月刊俳句界 2015年04月号』 ■