鶴山裕司さんの連載エセー『続続・言葉と骨董』『第44回 ロベール・クートラスのクリスマス・オーナメント(前編)』をアップしましたぁ。1本くらいクリスマス・コンテンツがあるといいなと思い鶴山さんにお願いしました。『言葉と骨董』連載の第34回、35回で取り上げておられるフランスの画家、ロベール・クートラスの作品です。

 

クートラスはグァッシュや油絵の画家ですが、テラコッタ作品も作りました。鶴山さんの連載の後半で出てきますが、クートラスが「詩人」とあだ名を付けた自宅の暖炉で粘土を焼き、テラコッタ作品を作っていました。小さな作品が多いのですが、鶴山さんが紹介しておられる『聖ニコラスと三人の子どもたち』は比較的大きめの作品でしょうね。

 

聖ニコラスはキリスト教(カトリック)の守護聖人の一人です。鶴山さんはフランスの民間詩(歌)『聖ニコラスの奇跡』を引用しておられますが、肉屋に殺され塩漬け肉にされてしまった子どもたちを復活させた奇跡などで有名です。なにせ聖ニコラスは4世紀頃の人で、実際の業績よりも奇跡譚などの方が有名なくらいの聖人です。

 

聖ニコラスはキリストの誕生日を12月25日に定めたり、三位一体の教義を正式に採用した、西暦三二五年に小アジアのニカイアで開かれた第一ニカイア公会議にも参加しています。鶴山さんは、『クートラスは若い頃からその高い才能を認められながら、画家の生命線とも言える画廊はもちろん、ほんの少数の友人を除いてうまく人と付き合えなかった。そのため彼はしばしば飢えた。若い頃には食料を得るために盗みに入ったこともあると告白している。彼はそれを悔いたが貧者の心を痛いほど知っていた。絵で最低限度の収入が得られるようになると、自ら望んでほぼ何も持たない聖なる貧者画家となった』と書いておられます。

 

 

鶴山裕司 連載エセー『続続・言葉と骨董』『第44ロベール・クートラスのクリスマス・オーナメント(前編)』 ■