鶴山裕司さんの連載エセー『続続・言葉と骨董』『第43回 年紀の入ったアイヌ盆(後編)』をアップしましたぁ。鶴山さんは『明治以降、アイヌが日本の古い刀や漆器を所持しているという噂を聞きつけて多くの骨董商がアイヌ村に買い付けに走った。そのため物は残っていても、アイヌが宝物として所蔵していたという記録がある物はほぼ皆無である』と書いておられます。明治頃まで、アイヌは日本の古い刀や漆器、着物を所有していたのですね。

 

前に鶴山さんが、『日本の正倉院はユーラシア大陸のどん詰まりで、ここにペルシャやインド、中国や朝鮮の古い物が収蔵されることになった。でもまだ先がある。それはアイヌだ』といふ意味のことを書いておられました。文化的に言ってもそれは正しいと思います。日本ではとっくの昔に忘れ去られてしまった古い習俗や宗教観がアイヌには残っています。じゃあアイヌは古い規範にしがみつく保守的民族かというと、そうでもなひようです。

 

鶴山さんは今回アイヌの子持盆について書いておられるのですが、この形は欧米のランチプレートを真似た可能性があるやうです。『アイヌは・・・意外なほど柔軟なところがある。・・・確証はないが子持盆は、維新以降に欧米製のランチプレートを真似てアイヌ好みに作られた食器ではなかろうか。そう考えると一般的なアイヌ盆に較べ、子持盆の数が極端に少ない理由も納得できる』と述べておられます。仮説ですが面白い見解ですぅ。

 

 

鶴山裕司 連載エセー『続続・言葉と骨董』『第43年紀の入ったアイヌ盆(後編)』 ■