『【大岡頌司 没後十年記念】大岡頌司自選百句 付『昭和俳句選集』入集句・補遺本文』をアップしましたぁ。昨日インタビューをアップした、酒卷英一郎さんのご協力で原稿をアップできることになりました。大岡頌司さんの自選百句他の、代表句をアップさせていただきました。大岡文学を代表するのはなんといっても3行の多行俳句ですが、大変魅力的です。
風袋の
たおごし母郷
ほぼろ籠
※
飛魚の
飛瞰の白き
なみがしら
※
ともしびや
おびが驚く
おびのはば
最初の句の『たおごし』や『ほぼろ籠』はなんのことかわかりませんが、音感がこなれています。正確に意味を読めと言われると困ってしまひますが、読者一人一人の中にイメージが生まれる句だと思います。俳句は短い表現ですから、意味がよくわからない作品がしばしばあります。ただ優れた作品は音感やイメージが抜群に優れているのが常です。
『ともしびや/おびが驚く/おびのはば』は傑作だと思います。この作品もイメージは沸きますが、意味があるようでない。でも簡単に覚えられて、その上なにか妖怪じみた読後感が残ります。大岡さんには妖しい魅力の句が多く、『あらじんの/らあんぷは/いらんかね』、『蒟蒻を/めびうすに煮て/仕舞ひけり』などの作品もあります。表記まで含めて完璧な作品ですね。じっくりお楽しみください。
■ 【大岡頌司 没後十年記念】大岡頌司自選百句 付『昭和俳句選集』入集句・補遺本文(pdf版) ■
■ 【大岡頌司 没後十年記念】大岡頌司自選百句 付『昭和俳句選集』入集句・補遺本文(テキスト版 )■