小原眞紀子さんの文芸誌時評 『No.001 小説宝石 2012年05月号』 をアップしましたぁ。といっても石川の聞き書きを文字起こししたコンテンツのアップであります。『小説宝石』 には夢枕獏さんの連載小説 『獅子の門 鬼神編』 が掲載されていますが、それについて語っていただきました。
以前ちょっと書きましたが、文学金魚の 『interview of gold fishes』 の次回インタビューイー (インタビューされる側の人) が夢枕獏さんなのであります。小原さんには夢枕さんへのインタビューの質問項目を作成していただきました。現在、テープ起こしが終了し、写真などの資料を揃えている最中であります。もうすぐデザイナーの柳沢京介さんに素材をお渡しして、組版してからアップする予定です。
インタビューを先に読ませていただきましたが、夢枕さん、恐るべき忙しさの売れっ子作家さんであります。時速何枚とかいうペースで原稿を書かれるのだとか。純文学系の作家さんたちが聞いたら、目を回しそうな量産能力であります (笑)。当然それは、夢枕さんの作品にも投影されているようです。
小原さんはそれを、『獅子の門 鬼神編』 の格闘技シーンの描写から読み解いておられます。夢枕さんは主人公鳴海の 「肉体を通して」 「小説構造というより大きな 「肉体」 をコントロールさ」 されているようです。「筋肉の動きのひとつひとつ、右肩の持ち上げ方ひとつ、腰の捻りひとつに、いちいち意味がある。それはある種の言語なんで、その肉体言語が日本語に翻訳されている感じ」 がするわけです。
僕も学生の頃に夢枕さんの 『キマイラ』 シリーズをずいぶん読みましたが、確かに格闘シーンの描写などに特徴があったと思います。リズムがあり、その集積が全体を構成してゆくような感じです。夢枕さんは『カエルの死』というタイポグラフィによる詩集や、『蒼黒いけもの-岩村賢治詩集』も出されています。「獏さんの言語も肉体言語に近づこうとしていて、つまり詩的でもあるってことかもしれない」 という小原さんの評言は、納得できるものがあります。
夢枕さんのインタビューのアップは来週後半くらいに予定しています。みなさまお楽しみにっ!。