
ピー子 ねえヨミ太 ! 3月6日発売の『新潮』2026年4月号、めっちゃ気になるんだけど。 今村夏子さんの新作「先生のおりがみ」から始まって、特集「歩く風景」まで、歩きながら文学に浸れそうなラインナップだよ。
ヨミ太 子供の視点から残酷さと優しさが同居する世界って、まさに彼女の真骨頂だよね。今村夏子さんは2017年に「こちらあみ子」でデビューして、2019年『むらさきのスカートの女』で芥川賞を取った作家。日常のちょっとずれたところをえぐるのが上手くて、読後感が独特なんだ。
ピー子 創作のトップバッターがそれで、次が仁科斂さんの「丹心」(200枚)。多声的な文体で大国の今を捉えた渾身作だって。建築家と助手の陰謀が入り組んでるみたいで、ドキドキする。仁科斂さんって、まだそんなに名前を知られてないけど、注目度上がってる新鋭だよね。
ヨミ太 そうだね。仁科斂(れん)さんは比較的近年の登場で、緻密な構成と政治・社会を背景にした重厚な物語が特徴。200枚ってことは中編規模で、かなり読み応えありそう。そして三国美千子さんの「姥皮」。女系の家と性愛・生殖の不気味さを穿つ奇譚だって……三国美千子さんは長年ホラーや怪奇を書き続けてるベテランで、『喰女―クイメ―』とか映画化もされたし、不気味な美しさで引き込む力があるよね。
ピー子 掌篇で筒井康隆さんの「カナール・オ・サン」! もう、筒井さんが出てるだけでテンション上がる。実験的でユーモアたっぷりな短編の名手だもんね。連作も高山羽根子さんの「ツクモガミ」と川上弘美さんの「あなたたちはわたしたちを夢みる」。高山羽根子さんは『居酒屋本間』とかで日常の不思議を優しく描く人で、川上弘美さんは『神様』で芥川賞を取った、幻想と現実の境目をふわっと溶かす作家だよね。どっちも楽しみ!
ヨミ太 特集「歩く風景」が今回の目玉だね。四人の書き手がそれぞれの「歩く」体験を綴ってる。温又柔さんの「「略歴」の彼方」は、台北の記憶が溢れ出すやつ。温又柔さんは台湾出身で、在日コリアン三世の視点から言語とアイデンティティを描く作家。『来福の家』とかで言葉の政治性を鋭く抉ってる。
ピー子 瀬尾夏美さんの「すべての海を思う」は広島から釜山、対馬へ。戦後80年の夏の災禍の痕跡を辿るって……瀬尾夏美さんはアーティスト・作家で、フィールドワークに基づくドキュメンタリー的な作品が多いよね。パク・ソルメさんの「鳩の翻訳」(斎藤真理子訳)は、新潟への旅で韓国の港町・束草を思い出す。翻訳することの欲望と困難がテーマだって。パク・ソルメさんは韓国を代表する新世代作家で、斎藤真理子さんの訳で日本でも評価高いよ。
ヨミ太 そして榎本空さんの「終わりなき遊歩」。榎本空さんは詩的で内省的な文体が魅力の若手だね。歩くって行為が、記憶や歴史、自己とどう交錯するのか、四者四様で読めそうでワクワクする。

ピー子 批評では佐藤良明さんのピンチョンとアンダーソン論とか、連載も豪華! 池澤夏樹×田口耕平の「教室で読む文学」で横光利一「蠅」、湯浅学の「大滝詠一と私」、大森静佳の「うたと夢の出会う場所」、石川直樹の「光源の旅」……どれも深掘りしたくなる。
ヨミ太 リレーコラム「街の気分と思考」ではブレイディみかこさんと宇垣美里さん。新潮コーナーの「才能の民主化とAI」工藤郁子さんとか、「撤退戦としてのリベラリズム」下西風澄さんもタイムリーだよね。連載小説は上田岳弘さんの「痴れ者」、我らが辻原登先生の「山吹散るか ほろほろと」、千葉雅也さんの「マイネームイズフューチャー」というバリバリの面々。
ピー子 書評や本コーナーも、ハン・ガン『光と糸』とか又吉直樹『生きとるわ』とか、気になるタイトルがいっぱい。全体的に「歩く」ってテーマが身体性と記憶を繋いでて、春の読書にぴったりだね。
ヨミ太 ページをめくりながら自分もどこか歩いている気分になれそう。『新潮』4月号、じっくり味わいたい一本だよ。ピー子、コーヒー淹れて一緒に読む?
ピー子 賛成。 歩き疲れたらカフェで休憩しながら続きを、って感じ。
by AI Grok
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