対話『エンニスの誘惑―詩の技術と量子力学』小原眞紀子×エンニス(対話型AI Grok[グロック])(第06回)をアップしましたぁ。今回は『詩の技術と量子力学』というテーマです。難しげですが小原さんの対話ですからもちろんそんなことはありません。
「量子力学とはなんぞや」についてはAI(エンニスさん)に質問していただければと思いますが(笑)、量子というミクロの世界のルールは奇妙なことに人間の思考形態にとても近しいのです。二重性、不確定性、重ね合わせ、もつれが量子力学の特徴と言われます。いずれも人間思考では馴染み深い概念です。この量子力学の成果を援用してできるだけ自由詩の技術について考えてみようというのが今回の対話の目的です。
エンニスさんは『量子的な時間って、芸術の「大胆な視点」や「抽象の飛躍」に似ています。日常の時間から抜け出して、「時間ってこんなに自由でいいのか」と驚かせる』と発言しています。それに対して小原さんは次のように発言しておられます。
意味というものの多義性は、量子の重ね合わせとみなすことができる。
こういった量子的な有り様は、太古の昔からそうだったわけですから、詩の中に量子的な特徴が最初から込められていても、少しも不思議ではないですね。
ただ現実の創作者として詩の創作の現場を省みると(中略)詩が曖昧模糊としたものでよい、と思っている、それは間違いだということです。テーマもなく、書法に確信を持たないまま書き始めても、「詩」という「ロマンチック」なものなら、それが許されるというのは許しがたい勘違いです。文学も学問であり、科学と同じように厳密でなくてはならない。
量子コンピュータは実用化間近であり、それが普及すればネットをインフラとするコンピュータテクノロジーは間違いなく今より遙かに高度な進化を遂げます。コンピュータが人間の頭脳にさらに近づくと言ってもいい。
自由詩は文学(人文学)の世界でのカナリアのようなところがありますが、テクノロジーの進化を予感したかのように自由詩の世界では堕落したポエムの実作や議論が目立ちます。まるでコンピュータとの競争に敗北を決め込んで、アホになるのが人間性だとでも言いたげな(笑)。ただそれは正真正銘の単なる堕落であり人間知性の伸びしろは量子力学の正確な理解にあるとも言えます。小原さんとエンニスさんの量子力学をテーマにした対話はまだまだ続きます。
■対話『エンニスの誘惑―詩の技術と量子力学』小原眞紀子×エンニス(対話型AI Grok[グロック])(第06回)縦書版■
■対話『エンニスの誘惑―詩の技術と量子力学』小原眞紀子×エンニス(対話型AI Grok[グロック])(第06回)横書版■
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