こんちわん。わんわん。りょんさんですー。
りょんさんは最近、ガーシーchっていうの欠かさず見てるんだ。「えーっ、ミーハーなんだねー」とか、「芸能界暴露話が好きなの?」とか、皆に言われるよ。もちろんそれでいいんだけど、ほんのちょっと違うかなぁ。30歳ソコソコの俳優(名前聞いても、たいていわからん)がグラビアアイドルをどう扱うかとか、それでもついていく女のコたちがどんなんか、とかってことより、ガーシーおじさん自身に興味があるっていうか。
りょんさんは、もう戦争のニュースを追っかけるのやめちゃったんだ。ゼレンスキー大統領がアメリカの議会演説で「真珠湾を思い出せ」って言ったとき、はっと目が覚めてさ。ゼレンスキー大統領が嫌いになっちゃった、ってわけじゃないんだよ。パールハーバーが西側にとってどういうアイコンかってことはわかってる。ただ、それに対して日本は言いたいことがあるし、その一部はアメリカだってすでに認めている。つまり、当事者国でなければわからないことがたくさんあるんだよね。第三者がいろいろ言うのは、バイアスのない情報が少ないところで、あんまり意味ない。虚しすぎる。
TVの「タモリステーション」でウクライナ戦争を取り上げたとき、ホストのタモリさんが番組を通してずっとダンマリで、ただ最後に「一日も早く平和な日がウクライナに来ることを祈るだけですね」などと一言だけ。これ話題になったよね。タモリさんはもちろんウケを狙ったんじゃなくて、考えれば考えるほど、責任持って言えることはそれしかなかったんじゃないかな。同感だよ。
ガーシーchの東谷さんがやってることや、これまでやってきたことの社会的な是非はおいといて、「もう死ぬしかない」とまで思い詰めたガーシーさんが今、覚悟を持って本当のことしか言わないと決めている。それだけは透けて見えるから、ずっと眺めちゃうんだよね。話に出てくる人たちがどんな有名人なのか、りょんさんにはさっぱりわかんなくても、そんなのはどうでもいいっていうか。悪魔に魂を売るのだって覚悟がいるよね。とにかく、その覚悟を見たいの。
そして話されていることは少なくとも本当だと思える、その手ごたえが現代のこの状況で貴重な感じがするんだよね。人間、特に芸能人に裏があるのは当たり前のことかもしれない。ただその話を通して、裏と表、あるいは横から見て、なんか人間ってものが立体的に立ち上がってくるっていうか。りょんさんはデザイナーだから、そういう立体的な構図が気持ちいいんだよ。きれいごとばっかり言ってる平板な芸能界に夢を抱く歳でもないからさ。
ガーシーさんの話の中でも、島田紳助さんとかロンブーの淳さんとかは、りょんさんでもさすがに知ってる。こういう人たちが古くからの友達なんだって、やっぱり大物は人を見る目があるのかなぁ。ガーシーさんが良くも悪くも、なんかしでかすって直感してた気がするよ。それで話の合間とかサブチャンネルに出てくる、いわゆる〈いい話〉っていうのが、それも流れからいって本当だろうと信じられるぶん、文字通り〈いい〉んだよね。「やっぱあの人、いい人なんだなー」って、ほっこりする。
たとえば「有名タレントGさんについて何か知ってますか」って視聴者から訊かれたガーシーさんは、「西川貴教が絶対付き合うなって言うから、知らない」って。野田聖子大臣の(裁判で反社認定されたといわれる)ご主人が関わる仮想通貨の広告塔だったGさんが、どれほどの危険人物かはわかんないけどさ。(てゆうか、そしたら正月の「格付け」も全部ヤラセ?)ただT.M.Revolutionの西川さんがそう忠告したっていうのは、すごく納得した。ミュージシャンとしてのパフォーマンスは派手だけど、なんか西川さんって昔から「長男」ってイメージがあってさ笑。
で、一番よかった話は、暴露とはあんまり関係なくて。ガーシーさんが誰かに付き合ってエジプト旅行したとき、ホテルで寝ていて、亡くなったお父さんが挨拶に来た夢を見たんだって。「お父さん、行かないでくれよ」って、おいおい泣きながら目が覚めた。そのときホテルの電話にも携帯にも、同行者からじゃんじゃん連絡が入ってたんだけど、なぜかずっと話し中でつながらなかったって言われたんだって。それで、ご実家のお母さんに電話したら、まったく同じ夢を見てたんだって。エジプトなんぞに行ったときにそんなことがあったのは、日本だとガーシーさんに毎日、あまりにもいろんな人から連絡があって、お父さんアクセスしづらかったんじゃないかなぁって思った。まぁ、こんな暴露チャンネルでスピリチュアル嘘話をする理由がないから、少なくともガーシーさんは確信を持って言ってるとしたら、すごく不思議で記憶に残る。
ここ数日は、小林麻耶さんの話題で持ちきりだね。妹の麻央さんのことは昔、『恋のから騒ぎ』も見てたし、婚約が決まった頃、渋谷駅に麻央さんのポスターが貼ってあって、チョコレート色のドレス姿がほんっとに綺麗だった。その後、闘病についての海老蔵さんの記者会見があって、りょんさんはちょうど夕飯の支度をしてたんだけど、ステージ4って聞いて、思わず手が滑ったっていうか、料理の段取り間違えちゃった。知り合いでもない他人様のことで動揺したなんて、初めてだったなぁ。そんなんだから、今回の麻耶さんの海老蔵さんに対する告発は、まぁ聞きたくなかったというか、一言漏らさず聞かねばというか。
小林麻耶さんについてはこのところ、スピリチュアルなご主人の影響で少しおかしくなってるとか、洗脳されてるとか聞こえてきてたから、フォローはしてなかった。今回は本当に人が変わったようだ、海老蔵さんのことを激しく告発する様子が正気じゃないと聞いて、その動画を全部見てみたんだ。まぁ確かに人が変わってた。てゆうかフツーになってた。小林麻耶さんはもうTVのタレントさんでなく、「普通の人」だった。だって家族の誰かが死んで、それについて腹にすえかねる、言いたいことがあるっていう、たとえば親戚のおばさんだったら、こういう物言いは普通なんじゃないですか。目が坐っている。当たり前です。こういうときの親戚のおばさんの顔、見てみてください。目が坐ってるどころじゃありません。大勢の第三者が見るYouTube動画としてどうか、というならもちろん上手くないけどさ。
物事っていうのは、視点を変えると180度違う姿が見えることよくあるよね。小林麻耶さんについては、「実は妹さんにすごいコンプレックスがあったんじゃないか」とか、「わけのわからん亭主と結婚して、もともとおかしいのがなお、おかしくなった」とか、「海老蔵さんに恋心があったんじゃないか」とか、いろんなことが断片的に推測されていて、そのどれもが世間でよくある話なので、りょんさんもそんなところかなと思っていた。でも、そのそれぞれの推測ってバラバラっていうか、なんか一本につながらないんだよね。
真実はシンプルで、一本の先にずっとつながるものだとすると、最初から麻耶さんが言ってた通りなんじゃないか。つまり麻耶さんは妹の麻央さんのことが大好きで、彼女のためなら何だってすると、子供の頃から思っていたということです。姉妹というのは内心は競争心を持っていて、っていうありがちなことが絶対だと思っていると、そんな麻耶さんの言葉も単に好感度を上げるためだって思うだろう。だけど姉妹って二通りあって、ほとんどがいわゆるライバル意識を抱えているのかもしれないけど、ときどきマジで一心同体みたいな、仲の良い姉妹っている。だって『アナと雪の女王』って、そういう話じゃん。
そもそも妹にコンプレックスがあったんだったら、その妹は亡くなったんだから、彼女の美しい神話を利用して、市川家ともうまくやって、テレビのプロデューサーとでも結婚して、つまり業界での立ち位置をコントロールしながら、妹の代わりに活躍すればいいだけのことじゃないの。すごい倍率のアナウンサー試験を突破した麻耶さんが、そんな計算できないわけがない。でも彼女はそうしなかった。誰もが反対する、上手くないやり方ばかりをとってきた。それが何のためだったか、わかった気もする。
暴走車の事故で妻子を失った若いご主人が、見てて怖いぐらい怒っても、世間は当然だと思う。妹を失ったお姉さんの、自分の人生すら棒に振るような怒りは理解できないだろうか。その姉妹の関係性によっては、妻子を失うのと同じぐらいのダメージを被ることだってあるだろう。海老蔵さんのやり方をずっと許しがたいと考えていたとしたら、必ず告発しようと思うだろう。ただ相手は、世間が非難する犯罪者などでなく、天下の市川家の海老蔵だ。国家の文化財として、もちろん芸能界全般、松竹、そしてもしかすると反社会勢力からすら保護を受けているかもしれない家だ。テレビの世界にいる麻耶さんが、そんな人を敵に回すのは恐ろしかったろう。ガーシーさんも、いつ殺されるかわからないと居場所を転々としているけれど、お金を生む商品である芸能人を傷つける言説を発するのは、我々が思う以上の危険を伴うことのようだ。
ましてその市川家の庇護を最大限に受けて育つべき、妹の忘れ形見である甥と姪がいて、その子供たちを面倒見ている自分の両親がいる。麻耶さんがまず一番に「お父さんから縁を切られた」と言ったのは、家族を巻き込まないためなんじゃないか。それでも一生抱えたままでいられない思いに引き裂かれれば、誰だって多少おかしくなる。
りょんさんはなんとなく〈魔女〉ってこういうのじゃないかなぁって思った。いざとなったら、家族が自分を切り捨てることができるようにしてるんじゃないか。あの娘は頭がおかしくてとか、縁を切ったとか、言えるようにしておく。無意識的に、自分をそんな〈魔女〉に仕立てていったのではないかと思う。家族のために。ご主人に洗脳されたのではなく、そういう無意識的な計画の中で、自分に付き従ってくれるのは、あの旦那さんしかいなかったのではないか。そういう意味で、小室眞子さんの日本脱出計画に協力してくれる〈家来〉が小室圭さんだけだった、という構図と似ている気もする。
ただ、麻耶さんの心を我々がつかみ損ねていたのと同様に、海老蔵さんの気持ちも簡単に決めつけるわけにはいかない。麻耶さんの言うことは99%本当だと週刊誌の記者も裏付けたようだけれど、闘病中の麻央さんをおいての女遊びが果たして楽しかったのか、それとも悲しみを紛らわすための、いやむしろ一種の悲しみの表現だったのか、歌舞伎モノ・市川海老蔵にしかわからない。もちろん、それがわかりきっていると思うだけの実感を、麻耶さんは持っているのだろうが。
つまり気持ちの問題については、第三者が口を出すには、いつだって情報が少ない。小室さんの件でも結局、国民が筋を通させることができたのがお金のことだけだったように、今回もそれをもって決着、になるのではないか。配偶者だった麻央さんが渡したという2億3000万円はともかく、麻耶さんの9千万円と小林家の4千万円は、海老蔵さんから返済すべきではないか。結局のところ、我々第三者のコモンセンスはそんなところにしか発揮できない。我々も、また麻耶さんも不本意だろうが。
と、ここまで書いたとき、今日のガーシーchに小林麻耶さんが電話出演するという。さもありなん。引き裂かれ、おかしくなったようだった麻耶さんの狙いが多少くっきり見えてきたのは、やはりガーシーchの成功の影響が大きかったように思える。覚悟さえ決めれば、人は理解し、ついてくるという。悪魔に魂を売った男が、魔女を手助けするというなら、今日も見なくっちゃ。
りょん
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