連載翻訳小説 e.e.カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第09回)をアップしました。第3章天路歴程です。カミングスらしい長台詞(?)のパートです。わかりやすい訳文にするのは難しいのですが、うまく処理しておられます。憧れのパリに到着したわけですが、ヘミングウェイのパリの描き方とはぜんぜん違う展開のようです。
先日、カミングスの優れた翻訳も手がけられた藤富保男さんが89歳でお亡くなりになりました。実は文学金魚は藤富さんへのフロントインタビューを準備していたのですが、インタビュー依頼のお電話をかけたところ、「密葬を済ませてこれからプレス発表です」ということでした。残念です。また一人戦後の優れた詩人が世を去ってしまいました。
世の中の大きな変化とともに、文学の世界の状況も刻々と変わっています。日本の詩は戦後になって戦後詩と現代詩を生み出したわけですが、その底流には様々な文学潮流が渦巻いています。藤富さんはその一翼を担う詩人でしたね。戦後詩や現代詩とはちょっと毛色が違う詩人だったわけです。
作家が時代の変化を捉えるためには、果敢に新しい試みをしながら、過去の総括を的確に行うのが一番の早道です。そうしないと一時の思いつきの新しさで終わってしまうことが多い。現代詩の皆さんは解体の時期ですね。政治の世界と違って希望は見えないわけですが、ズルズル沈んでゆくよりは遙かにましです(爆)。
■ 連載翻訳小説 e.e.カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第09回) 縦書版 ■
■ 連載翻訳小説 e.e.カミングス著/星隆弘訳 『伽藍』(第09回) 横書版 ■
■ 第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項 ■
第05回 金魚屋新人賞(辻原登小説奨励賞・文学金魚奨励賞共通)応募要項です。詳細は以下のイラストをクリックしてご確認ください。
■ 予測できない天災に備えておきませうね ■