鶴山裕司さんの 『続続・言葉と骨董』 『第 015 回 ギリシャ陶器 － テラコタの夢』 をアップしましたぁ。ぬぅ～今回はギリシャ陶器ですか。守備範囲が広いなぁ。それにしても図版に掲載されている陶片の絵、2300 年前のギリシャ女性かぁと思うと遠い目になっちゃいますねぇ。美術館で完全無欠の名品を見るよりも、陶片の方が迫ってくるものがあるやうな気がします。鶴山さんはこういふ陶片を手に取ってじーっと見て、思考を働かせておられるわけですね。『骨董は手元に置いて、見て触らなきゃダメだ』 とよくおっしゃっておられますが、なんとなくその意味がわかりますですぅ。
また 『ヨーロッパ的な知のスタンダードを取り入れた全ての現代人にとって、ギリシャは精神的母郷である』 と鶴山さんは書いておられます。確かにそうでしょうね。今回のコンテンツのタイトルになった 『テラコタの夢』 は西脇順三郎さんの詩の一行ですが、西脇さんはギリシャ神話に題材を採った詩集 『ambarvalia』 でデビューしました。留学中にモダニズムとシュルレアリスムの影響を受けた詩人ですが、処女詩集でギリシャ世界を題材にしているのは、彼が原理的思考者であったことを示唆しているように思います。
鶴山さんは、自分は物狂いではなく、骨董は考えるヒントなんだと常々おっしゃっていますが、コンテンツを読んでいるとそれがよくわかります。婉曲に 〝俺は目利きだ〟 と主張している普通の骨董エセーぢゃないなぁ （爆）。本質的に文化論だと思います。鶴山さんもまた原理主義者ですね。ほんで物狂いぢゃないなら、石川に骨董譲ってくださいとメールしたら、『いいですよ。石川さんが、ちょっと高いなぁと感じる値段で譲ります』といふ返信が届きました。ううっ、怖ひですぅ。
■ 鶴山裕司 『続続・言葉と骨董』 『第 015 回 ギリシャ陶器 － テラコタの夢』 ■